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□5月3日
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深い藍色の空に綺麗な満月が浮かび輝く──
「なぁ、三蔵」
「………」
悟浄の呼び掛けに声で答えることはなく、ただ瞳だけを向ける。
「見ろよ。綺麗な月だから…」
体を動かすこともなく、首だけがこの部屋に唯一ある窓を見た。
しかし自分の位置からじゃ見えなくて、仕方なく悟浄のところへ足を運ぶ
「ぉッ、三蔵?」
「…見えん」
いつの間にか隣に座っていた三蔵に驚く。
いつも興味のない振りして、偶にこうやって近付こうとする三蔵が可愛くて堪らない
「…満月だな」
「あぁ、綺麗な円(マル)だ」
「三蔵?」
「ぁ?」
「我慢できない…(笑)」
「ハッ、エロ河童が」
だってよ、月の光に照らされて輝く金糸が余りにも酷く綺麗で…
前にも言ったろ?
お前は俺の月だって
「はぁ//…ん、ゃめっ」
「何言ってんの。体は素直に反応してるぜ?」
「煩い…ッ///」
「へーへー」
こちらに集中しましょうか?と慣らされた三蔵の蕾に質量を増した自身を宛がった。
奥まで入ったのを確認するとゆっくりと動き出し、上では啄むような接吻(キス)を施す
「ふ…//んぁッ、ごじょ///」
「…さん、ぞッ//」
響き渡るのは三蔵の甘い声と激しくなった淫らな音。
少し腰を早めれば快感の波が押し寄せて、小さい甘い声が大きな嬌声に変わる。
「ご、じょう…もっとッ///」
「俺もーダメ//」
「あぁ、んっ//……あぁああッ!!」
「きもち…い?」
「気持ちイイっ…!///」
「ん、俺もッ…!!//」
ラストスパートに三蔵が一番敏感なトコロを攻めてやると「悟浄っ」と名前を呼び熱を放った。
その締め付けで悟浄も三蔵のナカに欲を飛ばした。
「…ん。」
「カワイイ顔しちゃって…」
情事後、疲れて寝てしまった愛しい月を撫でる。
あんなにも遠くて手を伸ばしても届かなかった月が、こんなにも近くにいる。
感じる体温、鼓動、全てが俺を安心させた
だから…‥
俺だけをずっと看ていて──?
End.