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□-Xyears ago-
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“訳も解らないまま二人
 引き離された雨の夜を
 時間が解決するなんて
 思えないから”


目を伏せたい過去も
耳を塞ぎたい現実も


雨音でなど
掻き消す事は出来なくて。


【それは紫煙の向こうで
  酷く曖昧に揺らぐ光】


長い永い空白の真ん中。
耳障りな雨音から
俺を引き上げたのは、


他でもないお前の言葉。


“誰かの胸の痛みを
 いつか悔やんだとしても
 あの日落ちた涙は
 二度と戻らない。”


振り返ればいつも
傍らにお前の笑顔。


無責任な約束を
するつもりはない。


でもこれからもずっと
変わりはしないだろう。


俺は
【その先】を
語る事の出来ない
淡い思い出たちをしまい込み、
共に歩み行くお前と、
鬱陶しい程に晴れ渡る…
この空を見上げる。






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