道に迷った子狐が“ひとり”おりました。

小さな子狐は、
遠い故郷の地の“今”を知りました。


傷つき荒れ果てた“地”(母)の姿に、
小さな子狐なみだをこぼし、

こーん
と、小さく泣きました。

すがたのみえない子狐は、
遠い故郷の地に
あたたかな雨が降るように
祈って海に身を投げた。


遠い故郷にかえれますように、
また、始められますように、

ちいさなこぎつね
届かぬ声を零しても
泡沫消える。

海底へ―――








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