ニシキギ 壱

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聞きたいことは幾つもあった。

ただその前に





「・・・・・・」





大きな壁が降ってきた。





「それに気付いた大人たちは俺を"災厄の子"と呼び始めた。そして一家3人を拘束。俺以外を火炙りに。
それをムリヤリ見せられて・・・少し炎と狭いところが恐ろしくなった」





話は全て聞いていた。だが相づちも返事も何も返すことが出来なかった。

異変に気付いたクロウがこちらに顔を向ける。





「エース?」




「あ、のさ」




「?」





俺はあの、だのえっと、だの言葉にならないことばかり口にして話が整理出来ない。


まだ迷いがあった。

あの男との関係を話して大丈夫か。


クロウは何でも話してくれたのに俺はクロウの態度が変わるのが怖くて言い出せない。

考えている間、クロウはずっと黙って空を見ていた。





何分経っただろうか。

考えにばかり集中して時間の経過など全く気にしていなかった。


・・・寝てねぇよな。


一抹の不安を抱えながら隣を向くとちゃんと起きてる。

良かった。
決意したのに相手が寝てたら・・・本当にどうしたらいいか分からない。





「・・・なあ、クロウ」





こっちに顔を向けられる。





「信じてもらえねぇかと思うけど・・・聞いてくれるか」





こくりと頷かれた。





「俺は――」





父親のことを久しぶりに話した。










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