ニシキギ 壱
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こぽこぽ―――・・・
俺のせいで生まれた水泡がどんどん、明るいところへ行ってしまう。
それとは反対に俺はどんどん暗闇へ誘い込まれていく。
ああ・・・体が動かねェ・・・。
悪魔の実を食う上で唯一の欠点、海に嫌われる。
まさにそれが今の俺の命の危機に関与していた。
く、そ・・・。
暴れる。
口が開く。
空気がなくなる。
ああ、死んだ。
死んだらやっぱ・・・サボは居んのかな?
俺の意識はそのまま暗い海底に引きずり込まれたように消えた。
一体・・・目を閉じる寸前に見えたあの黒いものは何だったんだろう。
この後、俺が何事もなかったかのように傷の手当てをされ甲板に転がされていたのはやっぱりあいつのせいだったらしい。
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