ニシキギ 壱
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今日もいつも通り白ひげを襲撃していた。・・・言ってみたら変だが事実だ。
本当にいつも通り。何も違わない。
なのに、何故か大きな事件が起こった。
ぐわっしゃぁぁん
「っ・・・!」
船内から白ひげに跳ね飛ばされ甲板の縁に叩きつけられる。
視界は一瞬黒くなりかけたが何とか持ちこたえた。
いつも海まで吹き飛んで救出されていたので奇襲直後に意識があるのは初めてだ。・・・情けねェ・・・。
ずしずしと俺の空けた穴から白ひげが出てきた。
かろうじて意識を保っている俺を見て、にやりと笑う。
くそ!
「うりゃ!」
火拳を2、3発白ひげに向けて飛ばす。だが余裕綽々の顔で消された。
次は俺自身が炎となる。正面から堂々と!!
一歩踏み込み、前に出た瞬間、
炎となった右手に何か冷たいものが触れた。
視界は布のようなものがおおっていて何も見えない。
何だ!?
あわてて腕を振り回したらその腕を掴まれ引き寄せられて反対の手で首を絞められる。
そしてそのまま船縁に押し込まれた。
「何、だ!!?」
「止めろ」
聞こえた声に、
「動くとこの首、へし折る」
体から自然と炎が消えた。
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