ニシキギ 壱
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お、今日もいー天気だ!
んー!と伸びをする俺に、
「おい、リーゼント」
なんとも聞き捨てならん言葉が耳に入った。
・・・って、前もこれしたよな! つい昨日だぞ! なんかミスみてェじゃねェか!
ムスッとしたままのエースに俺はサッチだ、サッチ!と返す。
これは曲げねェかんな!
「知らねェよ。それより・・・昨日の晩あいつに会った」
あいつ? ああ、クロウな!
今朝不審番だったイゾウんとこのクルーがわざわざ報告に来てくれたぜ。食堂でイゾウも笑いながら聞いてたよ。
「クロウ・・・あいついつもメシ持ってくるヤツだったじゃねェか! 何で言わねェ!」
「あ、そこ俺が責められんのね・・・」
「ったりめェだろ!」
逆に誰に言うんだよ!
・・・なんかぴりぴりしてんなー。もしかして、
「なんだ、仲良くなれなかったのか?」
「仲良く・・・っ! 仲良く・・・は、知んねェけどよ・・・なかなか喋った」
徐々に小さくなっていった言葉。
喋ったのか。
クロウは見た目とは裏腹に意外と会話弾むもんな。どこかの隊の新入りとも仲良く話してるのよく見るし・・・。
あ、クロウはもちろん無表情だったけどな。本人か言うには顔に出ないだけで心は楽しんでるらしいが・・・。知らなかったらキレてるようにしか見えない。
別に話弾んだなら良いじゃねェか! 何で俺にヤツあたり?
「あ、あいつ無表情なだけでキレてるわけじゃねぇぞ?
ガンつけてるわけでもねェ、ただ目が合っただけだぞ? 顔に出ねェんだよ」
「そんくれェ昨日聞いた。あいつ実は気にしてんのも」
「ふむ、で、今日お前はなんで俺を呼びとめたんだ? しかもキレ気味で」
たずねると
「イラついてた時に丁度てめェがいたから」
当たり前のように答えやがった・・・!
え、いたから俺ヤツあたりされたの? え、何それ、何この子。
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