ニシキギ 弐

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「いいか、開けるぞー」




俺の言葉に二人は頷く。

顔は舟のとき同様かなり固い。

・・・まぁここにクロウがいるかもってんだ。しょうがねェか。


鉄の扉を力をこめてひく。
ぎぃ、と音をたてて重さ以外すんなり開いた。


その間にイゾウが飛び込む。

少し待ってるといいぞ、と声がした。


それじゃ久々に真面目にいくかねぇ。


俺とエースは暗い入り口へ入っていく。
上からの光ががちゃん、と遮断された。










細い道を2-1の陣形でエースの火を頼りに道を進む。俺は後ろだ。

中は気持ち悪ィほど人の気配がしなかった。

普通見張りの一人や二人いるよなァ!

おかしい、と思ったのは俺だけじゃねェだろう。だが俺達三人そのまま進んだ。
















「・・・エース、火を消せ」




イゾウの声が聞こえて辺りは真っ暗になった。




「なんかいるか・・・?」



「耳ィ澄ませ」




足を止め言われたように辺りの気配を探す。



・・・・・・お!




「こりゃかなりだな!」



「ああ、行くぞ」




クロウがいるかもか! とエースの顔が輝く。
だがその顔はそのクロウクロウを見て笑顔を消すのを俺達が知るはずがねェだろ!


だってあのクロウのことなんだ、何だかんだでどうせ無事なんだって疑わなかったんだもんなァ。













「っ、止まれ!!」



「おっと」



「ぐえっ」




人を見つけたのはそれから少し移動した所だった。

見晴らしのいい広い空間。
明かりもあって人の影が揺れている。




「20・・・30くらいか?」



「これで全部だったらな」




30ほどの軍団。
談笑やら賭け事やら刀の手入れやら各々勝手に過ごしてる。

・・・何やってんだこんなところで。

部屋のすみを見ると三人の黒髪の女性が猿ぐつわ噛まされて転がっていた。
もう諦めているのか暴れていない。


と、こちらの死角の角からまた五人くらいの男が出てきた。




「・・・キまってたなぁ」



「あんな美人で男だろーもったいねェなぁ」



「性別間違えたって感じだな!」




そう笑いながら歩いてくる。

一つ・・・思い当たる顔が浮かんだが・・・違うよなっ・・・!


だが次の一言が俺達に良くない方に確信を持たせた。




「あんなひょろひょろがケイさんとかジュンさんの肩の骨、片手で骨を砕いたって本当ですか?」



「ああ、七人医者おくりだ」



「うへー・・・よくそんなやつ連れてこれましたね・・・」



「新しい武器、入ったからな!」




・・・・・・・・・クロウ!!




ひょろひょろで片手で骨砕くのってあいつしかいねェよ!

イゾウと顔を見合わせて意見を交わしていると突然隣で炎が上がった。




「っ・・・エースっ・・・! 何してんだ!」



「ここにいるんだ! 早く行こうぜ!」




そう言って集団のなかへ一発火玉を飛ばしたエース。

それは一人の男にあたり悲鳴を上げさせた。
周りのやつらは驚きこちらと目があう。そして武器を手にとった。


これだから若いのは・・・。


はぁ、とため息をつきイゾウとまた顔を合わせる。
そしてもう一度二人でため息をつき喧騒の中に飛び込んでいった。


よし、やったらァァァァ!!











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