ニシキギ 弐

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身剥ぎ軍団を追い払いながら見つけた武器屋。


店内を回っていると懐からぷるぷる…ぷるぷるとなんとも間抜けな音が聞こえてきた。
静かな店内で響いたその音は視線を引き寄せる。

だが俺とクロウの服に染められたマークを見て誰もが目を反らす。




「あ゛、なんの用だ」



《ひっ・・・!? イ、イゾウ隊長! すぐ船に戻ってきてください!》




・・・つい凄みが付いちまった。
ひどく慌ててるクルーに今度は落ち着かせる意味も込めこちらから尋ねる。




「何があった?」



≪敵襲です! 島にいた海賊が手を組んで来てるみたいで≫



「分かった。向かう」



≪お願いします!≫




がしゃ、と言って眠りにつく電伝虫。それを懐に戻してクロウに声をかける。




「行くぞ」



「ああ」




俺たちは揃って武器屋を飛び出した。









モビーは敵味方入り混じる交戦状態だった。



「隊長! イゾウ隊長!」



「戦況は?」



「ややこちらが押してます。今マルコ隊長とビスタ隊長も向かっているそうです」



「そうか、なんとかなるだろ。オヤジは?」



「船長室で寝てます」



「寝てんのかよ・・・」




なにかあったらどうすんだ。ま、息子達を信じてのことだろうな。



「よし、俺も行く」



「は、はい。あの・・・隊長」



「なんだ?」



「クロウさんは・・・?」



「・・・・・・あ?」




振り向くがそこに見慣れた尻尾はない。




「・・・・・・あいつ・・・」




迷いやがった・・・・・・。

そう呟くとクルーはええええ!? とひどく驚く。


腹の底から現れる悲観のため息を一つ外に出して俺はもう一度戦況を眺める。



「・・・まああいつは大丈夫だろ」









戦況は大きく傾き出す





「てめェらのせいで武器屋で恥かいたじゃねェか・・・手加減しねェぞ・・・」


「(・・・珍しくイゾウ隊長早かったのって・・・)」


『(・・・ヤツあたりの為・・・?)』

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