ニシキギ 弐

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「お、クロウ! それに珍しく早いなイゾウ!」




午前中、甲板でなにやら話し合っている16番隊2トップを見つけた。

迷わず飛び込み二人の肩に腕を回す。
両手に花、そこいらの兵器より強いんだけどな!

クロウとの会話を邪魔されて明らかに迷惑そうな顔をしてこちらを見てくるイゾウ。
そんな顔されたら傷つくんだぞ・・・。




「何すんだよ。汚い手ェ回すんじゃねェ」



「ひ、でェ・・・汚くねェよ!」



「・・・サッチの手からアボカドの臭いが・・・。確かに汚いな」



「すみませんね! お前にどう食わせようか考えてたんだよ!」




何この子たち!?
やっぱり兵器を上回る破壊力持ってるよ!




「それより何話してたんだ? 俺も混ぜろよ〜」




うりうり〜とクロウのきれいな顔に頬ずりしているとイゾウに顔を掴まれる。
落ち着けお前。般若っていうのは人が軽々しく出せるようなものじゃねェんだぞ。




「今度の島について話していたんだ」



「島?」




そういや朝クルー達が騒いでたな。これでか。




「その島えらく治安が悪いんだと。ま、海賊が治安なんざ気にする方がおかしいんだがな。
あと上陸前にマルコが隊長集めるらしいぞ」



「あいよっ。サンキュー!」




ほう、島か! そりゃ楽しみだな!

久々の島の報告に飛び跳ねそうになりながら食堂へ戻ろうと歩いていると新入りたちが隅の方で集まっていた。
中にはクロウ大好きエースもいる。

ちょっと近づくと会話が聞こえてきた。




「あとちょっとで島に着くってさ!」



「俺、この船乗って初めてだ」



「買いたい物あったんだよなー。壁に付ける棚とか欲しいし・・・」



「あ、そりゃいいな! 俺も買おう!」



「おーい、お前らー」



「あ、サッチ隊長だ」




後ろから歩いてきた俺に特に驚かずこっちを振り向く新入り達。




「おう、朝から元気だな。言っとくけどお前ら次の島、買い出し当番だからなー」




・・・・・・・・・



たっぷり間をあけて




『えええええええええ!!!?』




新入り達の大絶叫が甲板を駆け回った。

うん、今回の新入りは息が揃ってんなー。









感心感心。





「何でですか!?」


「新入りは最初の島で買い出し当番って決まってんだよ。今後の為にもな」


「え、待てよサッチ! じゃ今回クロウと島行けねェってことか!?」


「今回だけだよ。我慢しろ」


「無ゥゥゥ理ィィィィ!」


「駄々っ子か!」

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