ニシキギ 弐

□14
1ページ/1ページ



「昨日クロウが俺の部屋に来たんだよ! ハンモック持って!」


クロウが出ていった食堂。
入れ替わるようにして入ってきたイゾウとエース。

俺はイゾウに熱く語っているエースの言葉にそういや昨日雨だったなー、と思い出す。
クロウ、昨日はエースのとこに行ったのか。ちぇー。


エースはそれからも何やら言っているがイゾウは無視して食事を始める。

一向に返事がこないことに気付かないエースは




「でさ、昨日一緒に寝たんだよ!!」




続けて話をやめない。

・・・・・・・・・あ、そろそろ




「おい、エースそんくらいに・・・」



「で朝起きたらいなくなってて・・・・さ!?」




エースの体ががくっと前にのめった。
気が付くと首飾りを掴まれ引っ張られている。
誰にって? そりゃ・・・




「朝っぱらから・・・」




我が家の16番隊隊長にさ。
この際止めるのはやめておこう。
一回経験してた方がいいだろう。何事にも経験は必要だしな!

とか言って面倒くさくて動かないのに理由つけているとイゾウがまた口をひらいた。

いつもより数段低い声。
ただそれだけの変化でイゾウの体から怒りのオーラが溢れではじめる。
うひゃーこえー!!

ゆっくりと上げられたイゾウの顔、それは




「ぎゃーぎゃー騒ぐんじゃねぇよ・・・耳障りだ」




クロウのような顔に眉間にしわを寄せヤのつく職業のひとがいた!
ちょこえーよ! マジで!
エースなんか蛇に睨まれた蛙よろし動けないでいる。

・・・うん。しょうがねぇよ、俺でもなると思うよそれは。・・・うん。



「わかったらしゃべんじゃねえ。黙って座っとけ」



「・・・・・・・・・・・・はい」




そして不機嫌のまま食事を進めるイゾウ。
エースは自分の席に戻って何故かきれいに正座していた。普段我先にと食事を始めるこいつが食い物を目の前に動かないところからどれだけ恐怖を味わったか考えてやってほしい。









寝起きのあいつに注意





「おーいエース、生きてっかー?」


「・・・・・・殺されるかと思った」



エースは1時間は正座で固まってました。


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ