ニシキギ 弐

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エースが言い出したことから始まった白ひげ海賊団腕相撲王決定戦。


現在の王者は16番隊クロウ!!


そしてその王者を相手に





「ちょ、クロウくんんん!? うぉぉぉぉ!!」



「勝者、クロウ!!」




俺はあっさり敗れた・・・。

だろうなとか言わないよ!!




「くそーもう少しだったのに!」



「どこがだい。開始3秒でやられたのは誰だよい」



「俺じゃねェ! 俺は5秒はもった!」



「そういうのを五十歩百歩っていうんだい」




分かったか、とドヤ顔で言ってくる古くからの悪友マルコ。
こいつさっき収入が入ったとか言って機嫌が良い。
くそ・・・俺も大穴狙わなけりゃ・・・!

さっきの失態に地団太踏んでたらそれよりも大きな足音・・・もう地鳴りのような音が後ろから聞こえてきた。




『オヤジ!』




オヤジが来た。

前方甲板には滅多にない来訪者に俺たちは一気に声を上げる。




「グラララ! なァに楽しそうなことしてやがる」



「あのな! 今クロウと」



「腕相撲王を決めてんだ!」



「腕相撲!」



「力比べ中なんだ!」



「いっぺんに話すな。聞きとれねェよ」



『腕相撲対決してるんだ!』




いざという時の一体感はどこに嫁に出しても恥ずかしくないよ。
兄は安心だ。


オヤジはその一言と樽の前で袖をまくり胡坐を掻いているクロウを見て状況を把握した。


そして現在の王のクロウに向け




「よしクロウ、俺と勝負するか」




・・・・・・・・・・・・




『えええええええええええええええ!!!』





悲鳴をあげた俺たちとは正反対にクロウの対応はああ、いいぞ。と冷めたものだった。







というわけで始まったオヤジ対クロウ。
それは白ひげ一の怪力が決定するという意味でもあり甲板には先ほどの数倍のクルーがその勝負を期待していた。


そして俺は審判役。
こういう時の場所取りは得意だぜ!




「良いかァ二人とも・・・力を抜いて・・・」



「さっさと始めねェか」



「そんなこと言わないの! 俺だって一生懸命雰囲気出してんだからね!」



「へーへー」




・・・ったくオヤジも気が短ェなァ。歳か?




「・・・ふざけたこと考えてんじゃねぇぞ」




心読まれた!?




「分かりました! 始めますよ! レディー・・・」




二人の繋がった拳を触る。俺より小さいとその数十倍はあるオヤジの手。

・・・クロウの腕大丈夫か・・・?


俺は息を吸い込んだ。




「ゴー!!」










グワッシャァァァァン





「・・・・・・壊れた」


「・・・壊れちまったなァ」


『ちょっとは手加減考えて!!?』


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