ニシキギ 弐
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「エースは好き嫌いはないのか?」
料理からアボカドを取り除き終えたらしいククロウが尋ねてきた。
今俺の近くにはクロウとサッチ、それにマルコもいる。
「んー好きなものはたくさんあっけど嫌いなのはないな!」
コルボ山での生活はそんなこと許してくれなかったし。
「ま、海で生きるならそれが普通だろうな! クロウもアボカド以外残したことないし」
「そんなにアボカド嫌いなのか?」
「ああ。どうしてもあの食感だけは・・・好きになれない・・・」
「昔ムリヤリ食わせたら本気で嫌がってねェ。食堂の壁ぶち破って一時マストのてっぺんから下りてこなかった」
「ああ、あったそんなこと・・・オヤジとイゾウが何度も叫んでやっと下りてきたんだよ」
「お、おお・・・そりゃ大変だったな・・・」
やることが普通の子供じゃない。
「あんなわがまま言うクロウ見たのその時が初めてだったんだい」
「オヤジなんか嬉しくて写真撮ってた」
「なにしてんだよオヤジ・・・」
嫌がってる姿を写真に残すって・・・おかしいだろ・・・。
「そんなクロウがいっぺんだけ上手ェっつってアボカド食ったことがあってよ!」
「へェ! どうやって!」
「イゾウが倭ノ国の料理のミソシルってやつに混ぜて出したんだ。そしたらきれいに食っちまった!」
「またイゾウ関係かよ!!」
マストに登って下りてこなかったときにもイゾウが出てきたよな!
「クロウはイゾウ大好きだもんなー!」
「ああ、好きだ」
「ちょ・・・真顔で言うなそんなこと!」
「・・・笑っているぞ?」
『全然』
表情に出せ!
「ちなみにイゾウはおはぎが好きだ」
「いや、聞いてねェよ・・・」
「そしてヨーグルトが嫌いだ」
「ね、それ誰得!?」
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かまいたち様からのアイディア