ニシキギ 弐
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俺がこの船の一員に正式に加入して早二週間。
甲板で船を漕ぎかけていた俺に船内から出てきた着物の男・・・クロウは言った。
「エース、ジンベエの場所が分かった」
「!!」
慌てて飛び起きる。
眠気はどっかに行っちまった。
「俺も任務で向かう。一緒に・・・来るか?」
「行く!」
そう答えたのは当たり前だろう。
その翌日、俺とクロウはジンベエがいる島へ向けて出発することになった。
「エース船ちょ・・・エースさん! ストライカー用意出来ましたよ!」
「ああ、ありがとな!」
「お気をつけて!」
そう声をかけてくれたのは元スペード海賊団の船員。
そう言ってくれるのは嬉しいが、
「俺たち・・・っ、アンタの帰り待ってますから!」
「ケガには気をつけて!」
「俺らのこと忘れないでくださいね!」
「食い逃げは控えろよ!」
「シャツも出来るだけ着るようにしてください!」
「ああ、もううるせェ!!」
『エースさぁぁぁぁん!!』
くどい!
涙を流しながら迫ってくるクルー。
俺が別行動をとるとなるといつもこうだ。
・・・この船のクロウに対する過保護を笑えないなとやっと気付いた。
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