ニシキギ 弐

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「にしてもみーんな刺青してんだなー」




末っ子が風呂の中から辺りを見回しながら言う。

確かに隊長達は皆白ひげの誇りを何処かしらに入れている。

それに気付いて言った。




「よっし! 俺も入れる!」



その言葉が風呂中に響き渡ったとき、平然としていたのはクロウだけだった。
いや、ちょっとは驚こう。
あんなナイフのような青年がここまで変わったんだぞ?




「どっこにすっかな〜?」




他と違うとこがいいな〜、と俺たちの驚きに気付かず呟くエース。

もう彼のなかじゃ決定事項のようだ。



「クロウは・・・腰か?」



「ああ、良いだろう。イゾウと同じ場所だ」





顔は変えないが少し誇らしげに言うクロウ。この船切ってのイゾウ大好きだからな。

そんなクロウにエースは一言



「なんか・・・あんたが入れてるとエロ」



「なァにを言っとるかァァァ!! この思春期青年がァァァ!」




エースが言い終わる前にサッチが横からチョップを食らわす。




「痛ェ! 何すんだよ!」



「仲間をそんな目で見ちゃいかん! うん!」




汗をだらだら流しながら横目でちらちらと他の方向を見るサッチ、視線の先にはイゾウがいる。

・・・アイツはクロウのこととなると簡単に銃が持ち出されるからな。
聞こえてないと良いが・・・。

聞こえてたらこの後大惨事が起こるんだろうなァ・・・。



そんな俺たちの焦りも知らずエースはサッチの手を振り払って言った。



「背中にしよう!!」



な、良くねェかクロウ!と目をきらきら輝かせるエース。




いや・・・それはいいんだが・・・










イゾウが無口無表情になっているんだが・・・





「・・・おい、新入り、クロウに手ェだすなよ」


「ひ、ひぃ!」



・・・銃声がないだけマシとしよう。


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