ニシキギ 弐
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「・・・ん・・・お・・・痛ッ!」
一日の始まる時、最初に思ったこと「頭痛ェ!」
最悪な目覚め・・・。
そういや昨晩イゾウに潰されたんだった。
周りを見渡せばまだイビキをかいて寝てるやつがごろごろいる。
甲板で雑魚寝組だ。
隊長の姿もいくつか見える。その隣にスペード海賊団だったヤツ等がいて・・・。本当に白ひげに入っちまったんだな、って改めて思った。
まだボーと寝ぼけている頭を使ってこれからどうすっか考えていたらマストで何かが動いた。
旗はあそこにはねェし・・・鳥?
閉まらない口のまま顔を90度上げるとそこには、
「あ、クロウ」
クロウがいた。いつも寝てる場所―クロウの定位置で。
「おーい、クロウー!」
名前を呼んでも反応はない。
何回呼んでもこっちを向かない。・・・あ、寝てんのか!
ようやく気付いた。遅いとか言うな!
と、その時、突然今までと逆の方向から突風が起こった。
かなり強い風。腕で顔を守らないと目も開けられない。
はたと気づいた。
風が吹く、ということは帆の張る向きも変わるわけで
「ああああああああ!! クロウウウウ!!」
着物の男がポンと弾かれ、数十メートルの高さから落下していった。
「なんだ?」
ずごっ