ニシキギ 弐

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クロウがエースに引っ張られて連れてこられた。

嫌そうな様子は全くない。


クロウは俺に気付くと逆にエースの手を引き隣に来た。
状況が分かってないエースは?を浮かせていたが俺に気付くと納得した顔で顎を引いた。








「え、クロウって飲めないのか?」




おどろいたように言うエース。




「いや、違う」



「じゃ、勝負しようぜ!」




なあなあ!と目を輝かせてクロウに詰め寄るエース。
さながら構ってほしくてたまらない猫だ。




「それが・・・イゾウに言われているんだ」




お、とうとうクロウが正直に言いだした。末っ子パワーに負けたか。

クロウの台詞にエースは一瞬間を置き「過保護か!」とこっちに叫んでくる。




「違ェよ。そりゃそれも入ってるが」



「入ってんのかよ!!」



鋭いツッコミ。こりゃいい玩具になりそうだ。ま、サッチには負けるがな。


そんなこと考えてたらサッチがこっちを振り向いた。何故反応した。



俺は説明の出来ないクロウに変わりエースの疑問に答えてやる。




「クロウは普通に飲む酒にゃ滅法強いが一気となると・・・すぐに酔っちまうんだよ」



「へー!」




見た目めっちゃ強そうなのにな!と言うエース。
言っとくが普通のペースで飲んでたらこいつオヤジと同等だからな。




「酔ったクロウってどんなになるんだ?」




笑い上戸? 泣き上戸? おしゃべりになんのか? 興味津々で続けて尋ねられる。


・・・・・・・・・んなワケねェだろ!!


自分が言った間違いに気付いたかエースはクロウの仏頂面を見て微妙な顔をした。
・・・こいつ見てておもしれェ。


そんな末っ子の心にもう一石。





「こいつな、キス魔になるんだ」




もう熱烈にぶちゅーっと。


エースはクロウをじっとして見つめる。クロウは・・・どうすりゃいいか分からず汗を掻き始めている。ま、表情に変化はねェが。

そんなに見ても無駄だぜ。こいつ起きたら何も覚えてねェから。




「調子に乗って酒飲ませて被害にあったヤツたくさんいるぜ」










・・・逆に見てみたい気も





「しかも異様に上手い」


「・・・ちなみに狙って飲ませるヤツは?」


「かなり。そこのヤツラもそうだろ?」


『(ばれてた!!)』

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