ニシキギ 弐
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寄ったはいいが特に話すこともなくぼーっとしてたら思い出した!
「あ、あのよ!」
勢いそのまま、がしっとクロウの手を掴む。
包帯の隙間から見える肌。ところどころ痕が残っていた。
「こないだ・・・この手ごめんな!」
勢いよく頭を下げる。
するとクロウは
「大丈夫だ。俺の方こそ首を絞めてすまなかった」
と無表情でゆっくり頭を下げた。
よしっ! これでお互い遺恨なしだ! 俺はクロウに恨みなんてなかったが。
俺が笑顔でクロウは無表情で(本人は笑ってるのかもしれないが)向かい合ってると向こうにいたクルーから声をかけられた。
「おーい、何してんだよ! お前ェらもこっち来いよ!」
そういやさっき一気飲み大会するって言ってたな。
俺は握ったままだったクロウの右手を引っ張り言った。
「行こうぜ!」
「ああ」
良かった、クロウも騒ぐのは好きなんだな!
お互いうらみつらみなし
「(せけェ! あの新入り!)」
「(クロウさんと!)」
『(手ェ繋いでやがる!!)』
デジャブ発生。