ニシキギ 弐
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俺たちの正式加入を祝う宴が始まった。
海賊ってのは何かあれば騒ぎたがるものだから当たり前なんだが。
つーわけで。
「飲め飲め!」
「これも食うか? 食うよな? な?」
酒臭ェ酔っ払い共に絡まれている。
俺の注いだ酒が飲めねェのか!?なんてワケ分からん理由をつけて俺に酒を飲ませようとしてくる髭面から逃げだそうと思ったのは何度だったか。
酒は弱ェわけじゃねェがこのスピードだと早々に潰されちまう・・・!!
船縁で静かに杯を傾けてる奴らがちょっぴり羨ましくなった。
うわっ! のしかかってくんな! 酒臭ェ!
何人かの男にのしかかられ面倒くさくなって能力を使おうとしていると上から声が聞こえた。
「うらァァァァ! 野郎ども、一気飲み大会始めっぞォォォ!!」
『うおォォォォ!』
掛け声とともに背中から重みがなくなる。
た、助かった!
俺は一旦静かな所への退却に成功した。
「あ、クロウ!」
船縁で一人静かに酒を飲むクロウを見かけた俺は思わず声をかけた。
クロウは右手を上げ返事を返す。
俺はそばに近寄って座った。
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