11DOGS

□結婚4年目の秋
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また秋がやってきた。
わたしは平凡な主婦。
結婚して4年目になる。
正直言って、今の生活に不満なんてないし、ごく普通に暮らしている。
でも、わたしはダンナには言えない、ひみつがある。
それは、ダンナの会社の同僚にひそかな恋心を抱いてしまったのだ。
何度も忘れようとしたけれど、なかなか忘れられず、会うたびに鼓動が高鳴る。
ある日、美容室に出かけたわたしは帰り道で携帯のメールに気がついた。
ダンナからだ。
「今夜は飲んで帰るけど、一緒に飲むかい?」
というものだった。
「うん。行く。」
と返事を返し、一度自宅へ帰り、化粧をなおしたり、出かける準備をした。
目黒にある居酒屋で待ち合わせだったので、家からはそう遠くはないと思い、のんびりと出かけた。
しかし、お店に着くとすでに佐藤さんがいた。
「こんばんは。お疲れ様です。」
「お疲れさま。」
わたしとダンナと佐藤さんの3人がそろい、乾杯をして宴をはじめた。
まさか、あんなことになるとは思わずに、出されたお酒をぐびぐび飲んでしまったのだった。

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