めろでぃ!!
□#3 追加
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「何だったんだ?」
独り言はリビングの天井に吸い込まれていった。
唯は俺のことをどう思ってるんだろう。
やっぱりただの友達?
ギターの先生?
お隣さん?
それとも……。
「唯の好きな人……俺だったらいいのに」
まぁそれはありえないが。
「……寝よう……」
*
次の日。
唯と2人で登校。
というのが俺の日常なのだが……。
「ウィース!おい神風、昨日はどォしたンだァ?にしても通学路で会うなンて偶然だなァ」
なんでコイツが一緒に歩いてやがる?
しかも唯は先に行っちまったし。
「ンで、オマエは軽音部員なのか?」
来たよこの質問。
一応正直に答えとくか。
……いや待てよ?
コイツ誰かに道聞かなきゃ部室来れないだろ。
じゃあ軽音部員の知り合いがいなきゃ部室来ないはずだ。
じゃあ正直に答えるのは利口じゃないな。
「いや、俺は軽音部員じゃねぇよ」
そう答えておけばとりあえずは安全だろう。
*
「おはよう唯。なんで今日は先に行ったんだ?」
「あ、おはよう優人くん!えへへ〜時計読み間違えちゃった。ごめんね?」
確か入学式の時も唯は時計を読み間違えていたな。
……その日は俺も時計を見間違えていたが……。
まぁそれは置いておこう。ところで――。
「なァ、平沢っていつも神風と一緒に登校してンのか?」
「うん。そうだよ〜」
なんで鏡夜が会話に入ってんだ?
「ほォ。つーことは……そォいう関係なンだな?」
ニンマリ、と気色の悪い笑み。
唯は「それってどんな関係〜?」とか何とかほざいていたが無視しよう。
「残念ながら、俺らはそういうんじゃないんだよ」
「なンだよ。つまンねェなオイ」
どうでもいいが潮風のセリフは読み辛い。
読者の皆様もさぞお困りだろう。
「そういや神風?オマエなんでギターなンざ持って来てンだ?」
な゙っ!?
こいつまさか朝気が付かなかったのか!?
いや、まぁギター担いで歩いてて「俺は軽音部員じゃないです」とか言ってごまかせると思った俺も俺だが……。
まさか今頃気付くとは。
いや適当にごまかせば大丈夫だ。潮風はかなりバカであることが既に証明されている。
そうだ!
ジャズ研の知り合いに貸すために持ってきたと嘘を――。
「優人くんは軽音部なんだよ?私もだけど」
唯ィィィイイイ!!
ちょっマジかよォ!!
「そォなのかよ?あれ?でも神風は軽音部員じゃねェって言ってたぞ?」
「バレたか」
「いや隠す意味が分かンねェよ」
こうして潮風鏡夜に俺の所属する部活動がバレてしまった。