めろでぃ!!
□#3 追加
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部活が終わり、それぞれの帰路につく俺達。
これはいつものことだが律は澪とムギと一緒に、俺は唯と一緒に帰る。
「あ……やべぇ忘れ物した。唯、先に帰ってて」
「ほえ?あ、うん分かった」
だが今日唯には1人で帰ってもらおう。
実は提出期限が明日のプリントを教室に忘れて来てしまったのだ。
しかも未記入なのでついでに教室でプリントを書こうと思ったからだ。
*
教室に入った瞬間、あの重圧じみた不安感が襲い掛かって来た。
「!?」
ドクンッ!!と心臓が強く跳ねた。
視線の先にアイツが……。
潮風鏡夜がいる。
だがその鋭い眼光は俺には向けられていない。
というより今は疲れているのかゲッソリとうなだれている。
「おう。神風っつったか?どォしたンだよ?ンな時間によォ」
俺に気が付いたのか潮風は鋭い、しかし疲れた目を俺に向け声を掛けてきた。
俺は少し戸惑いながらもその声に答えた。
「忘れ物取りに来た。あんたは何してんだ?ずいぶん疲れてるっぽいけど」
「あぁ……。ここ、まだほとんど構造覚えてねェからよ。………迷った………」
……何だコイツ?
「まさか……学校から出れねぇのか?」
「いや、出口が分からねェ訳じゃねェよ」
「じゃあなんで?」
「音楽準備室に行きたくてよォ」
再び心臓が跳ねた。
音楽準備室?
俺達軽音部の部室だ。
体中から嫌な汗が吹き出した……。
もしコイツが入部希望者だったら…?
『新入部員入ったらどうにかしてやめてもらおうぜ』
その言葉が耳に着いて離れない。
いや落ち着け!
アレはただの夢だ!
何にせよ、潮風が音楽準備室を探しているのなら十中八九軽音部関係だろう。
俺は震える声を絞りだし、潮風に質問した。
「なぁ…お前……軽音部に……入部する気……なのか……?」
「あァ、そォだよ。何だ、オマエもしかして軽音部員なのかァ?」
1番聞きたくない答えだった。
俺は自分の席からプリントを取り声を荒くして言った。
「知らねぇよ!」