黒バス

□一つになる事【甘】*
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「ん、っ‥きせ‥くっ‥」


「っ‥黒子っち‥」


「っ!だ、ダメ‥です‥これ以上は‥」


「どうしてっスか?」




付き合っている者同士なら、こんな雰囲気になってもおかしくない。


でも‥やっぱり怖いんです。

また、つまらないと言われてしまう。


黄瀬くんをガッカリさせてしまう。



そんな事が脳裏を過ぎる。




「ダメ、です」


「‥どうしてっスか?」


「っ、怖いんです‥だから‥」


「嘘付かないで欲しいっス。黒子っち」




見上げる視線にドキッとした。


‥君のその目は苦手です。


なんでも見透かされてしまうような‥そんな視線。




「‥‥僕と、する‥セックスが‥つまらないと、言われたことがあります‥」


「‥っ‥‥!」


「以前‥付き合っていた人と、そんな、雰囲気になって‥‥つまらないと、言われました。」




また、そんなことになったら。


僕は‥きっと‥


きっと、また僕は‥‥




「君をガッカリさせてしまいます。だから‥」


「そんな事ないッス!」




バンッと床を叩き、僕の言葉を遮る。


ビックリしてたじろぐと、黄瀬くんはごめんと言って僕を抱きしめた。




「‥好きな人と、一緒になりたいって思うのは‥ダメなことっスか?」


「いいえ‥普通のことだと思います。」


「つまらないなんて、俺はそんなこと思わないっス。ただ俺は‥黒子っちと一緒になりたいだけなんス」




黄瀬くんの腕の中で僕は酷く安心する。


何度も頭を撫でてくれて、その匂いや温度を噛み締めた。




「‥わかりました」


「え‥」


「ガッカリさせたらすみません。嫌になったら辞めて貰っても結構です。」




そう言って自分のワイシャツのボタンを外そうとしたとき、黄瀬くんがそれに待ったをかける。


‥いつもみたいに着替える乗りで脱ごうとしたんですけど‥ダメなんでしょうか‥?




「おっ、俺が‥その‥、脱がす、っスから‥黒子っちは、何もしなくて良いっスよ‥?」


「そう‥ですか‥。じゃあ、お願いします。」


「でも‥気持ち良かったら‥‥声、聞かせて欲しいっス」




一つずつ黄瀬くんがワイシャツのボタンを外し、薄い胸板に触れる。


普通の男には程通い身体。


黄瀬くんには軽々と持ち上げられてしまうほどだ。




「此処‥とか、どうっスか?」


「‥‥わからないです。ちょっとだけ‥くすぐったいです」




前の人と比べるのは、悪いことかもしれない。


でも黄瀬くんの触れ方はなんだかくすぐったいと感じた。


前に付き合った人からは‥本当に何も感じなかった。
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