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□機械の子【甘】*
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「なぁ、泉。一緒に飯食おうぜ?」
「‥いいよ。」
俺達が付き合い始めてから数週間が経つ。
いつも飯に誘うのは俺の方で、泉から誘ってもらったことは一度もなかった。
泉を飯に誘うのは良いんだけど‥泉は黙々とご飯を食べるだけで、俺は話題が見つからない。
本当に無表情なんだ。
美味しそうに食べたりしなければ、マズそうに食べたりもしない。
「なぁ、泉ってさ‥好きなオカズとかあるの?」
「え、っと‥だし巻き卵とか‥揚げ物‥」
「へぇ‥そうなんだ!俺、料理が趣味なんだけど‥今度、お弁当とか作って来ても良いかな?」
「‥お‥弁当‥?」
俺の目をじっと見て、しばらくぼーっとする泉。
その目が何処を見て、何を考えているのか。
やはり表情は変わらなくて、俺は泉の気持ちが解らない。
「泉‥?」
「‥‥れ‥し‥」
「え?」
「‥‥うれしい‥」
その時、泉の顔が一瞬ふにゃっと緩み、笑ったような気がした。
それが可愛くて仕方なくて、俺は思わず泉を抱き寄せる。
ドキドキとした心臓の音が聞こえる。
俺の心臓の音‥?それとも‥泉の?
「浜田、ここ‥学校‥」
「わっ!あっ‥ご、ごめん!!」
「‥‥‥」
ぷいっとそっぽを向き、再びご飯を食べ始める泉。
もしかして‥、嫌だったのかな‥?
そうだよな‥付き合い初めて、まだそんなに日が経っていないんだから‥。