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□夏と君と蝉の声【甘】*
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個室に押し込まれて壁と浜田の間に挟まれると、飢えた獣のような目をした浜田の顔が迫って来る。
荒々しい手つきでキスをしながらズボンのファスナーを下ろし始め、抵抗しようと肩を押し返してみるものの、びくともしない。
こんな所で流されるわけにはいかないのに‥!
「‥泉、硬くなってる」
「ッ‥はぁっ‥さわ、ンなっ‥」
「キスしただけで‥勃っちゃった?‥やらしーね」
「お、お前が‥触るからだろ‥は、ふぁっ‥あ、っ‥やだっ‥はまだ‥口、ふさいでっ‥」
逃げることは直ぐに諦めた。
だって、絶対に逃がしてなんかくれないから。
せめて口を塞いで声を殺して‥快感に耐えるくらいのことはしないと。
こんな状況‥誰かにバレたらマズイだろ。
「っ‥ンッ‥いずみ‥」
「はぁっ‥ッ‥は、やく‥しろよ‥バレ、たら‥あっ‥!」
「‥ふーん、怒られるかと思ったんだけど‥今日はなんか素直だね?」
‥あ、なんか浜田の機嫌が少し直った気がする。
悪そうな顔をしているが、これはいつもの意地悪な顔だ。
服の下から手を入れて乳首を弄り、タンクトップ一枚と言うその服装ではぷっくりと腫れ上がった乳首が良く目立つ。
いやらしいくらいに立ち上がったそれを見て、浜田が興奮しているのが分かった。
「あ、ぅ‥んっ‥はぁっ‥」
「本当‥こんなにやらしい身体なのに、こんな下着みたいな服着て来るなんて‥間違ってるよなぁ‥」
「‥え‥?」
浜田はそう呟いて鎖骨へと舌を這わすと、そのまま首筋に噛み付いて強く吸い上げる。
鈍い俺でもこれは分かる。
浜田が今‥何をしようとしているのか。
「や、やめっ‥浜田‥!」
「こんな服着て来る泉が悪いんだよ」
「キスマークなんて付けたらバレんだろ‥バカッ‥!」
俺の抵抗も虚しく、首筋に真っ赤な印が残ってしまう。
それは俺が浜田の所有物と言う証みたいなものだ。
信じられないと怒りに震えるが、浜田はそんなこと気にしちゃいない。
寧ろ、悪戯に笑ってみせた。