□相容れぬ二人【鬼畜甘】*
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「‥疲れた」




久しぶりに椅子に座ってじっとしていたせいだ。


それだけの事でもかなり疲れる。



次の授業はサボりたい。


教室移動だし、委員長からは逃げられるだろう。




「‥ねぇ。次の授業さ、一緒にサボらない?」


「え?浜田くんと‥?」


「あのさ、俺に気があるって聞いたんだけど‥本当?」


「‥誰から聞いたの‥?」




今日はコイツに決めた。

腕を引いて空き教室へと連れ込むと、すかさずキスをする。


嫌がる女を無理矢理抱くのは犯罪めいてるし後々面倒だから、こう言うことは合意の上でしている。




「なぁ‥このままシてもいい?」


「うん‥浜田君になら‥いいよ‥」




今時の女は軽くなったもんだ。

ちょっと顔が良い男が迫ったり、少し強引になるだけでヤラせてくれるんだもんな。


溜まっているときは調度良い吐け口だ。


かと言って責任は取れないから、ゴムを使ったり、外出ししたりだけど。

面倒事は御免だからな。




「っ‥」




授業中の行為は誰にも見られる心配が無くて便利だ。


快感に身を委ねていると、頭が真っ白になってスッキリする。


これは一種の中毒のようなもんで、ストレス解消には打ってつけと言うわけだ。




「っ‥はぁ‥も、っ‥」


「お前‥またこんな所で‥!」


「‥え?」




せっかくフィニッシュを迎えようと思ったのに、聞き慣れたウザい声にそれを制圧される。


振り返りそこに居たのは‥俺の予想していた人物。




「あーあ‥見付かっちゃった‥」


「お前‥先生に見つかったらどーする気だ!?今すぐ授業に戻れ!」


「なに?委員長。授業を放棄して来るくらい俺を心配してくれたんだ?」


「先生に連れ戻して来いって言われたんだ‥っ‥お前が居ると迷惑だ!うぜーし‥いい加減にしろよ!」




その言葉はカチンと、俺の怒りの爆弾に火を点けた。


言われ慣れた言葉のはずなのに。



委員長も、先生の言う事なんて無視すれば良いじゃないか。


問題児はこの俺なんだから。



委員長には‥関係ない。




「‥ウザいのはどっちだよ。干渉すんなって言ったのに‥分かんねーの?」


「あ、あの‥浜田くん‥私、もう行くね‥!」


「あ‥ちょっと待って!あの‥もしかしてコイツに無理矢理‥」




ガンッと机に顔を伏せさせる。


ムカつく。

委員長って本当に俺の事を信用してないし、悪役にしてるのな。


まぁそう思われたって仕方ないし‥嫌われたって仕方ない。


なのに‥なんでこんなに悲しいんだろう?




「痛ッ‥浜田ッ‥!なにすんだ!」


「男だからって‥大丈夫だと思うなよ」




そうだ。こんなに小さい委員長なんだ。


力では俺に敵わないし、殴って口封じするのなんて簡単だ。



だけど、きっと委員長はそんな事じゃ屈しない。


それは実践してみなくたって分かることだ。




「っ‥離せよ‥お前を連れ戻すように言われたんだ‥」




男に押し倒されるなんて、屈辱的だろうな。


痛い目みせてやんないと‥委員長はわからないみたいだから。



だから俺が教えてやるよ。



他人に干渉し過ぎると‥どう言う結果を生むのか。




「二度と俺に逆らえないように犯してやるよ」


「‥え‥?‥おか、す‥?」


「そ、委員長には縁の無い世界かな?俺に構う時間があるくらいだもん‥きっと、まだ童貞でしょ?」


「なっ‥!余計なお世話だッ!」




振りかざした拳を容易くまとめ上げて両腕を机に固定し、委員長のしているネクタイを緩めた。


そのネクタイを使って腕を縛り上げると、ようやく自分の置かれている状況が理解出来たのか目の色が恐怖を帯びた。
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