□恋人の不満【甘】*
2ページ/3ページ

止まらなかった。

俺は栄口の唇を二度も奪い、啄むようにしてその感触を味わった。


栄口の手をぎゅっと握りしめ、お互いに逃げられない状況になる。



二回目は、舌を絡めたやらしいキス。


浜田以外の男とするなんて‥初めてだ。




「はぁっ‥はぁ‥いずみ‥」


「‥ヤバい‥これ‥癖になりそう‥」


「っ‥や、やっぱダメ‥だよ‥こんなこと‥」


「栄口は‥気持ち良くなかった?」


「そ、そりゃ‥だから‥気持ち、良かったから‥ダメって‥」




あぁ、なんだ。

栄口も気持ち良かったのか。


俺も、と言って栄口に再び口付ける。


甘い汁が二人の口の中で蕩けて行くようだった。




「あ、あっ‥だめ、いずみっ‥これ以上は‥!」


「大丈夫だって、触るだけだから‥」


「やっ、だめだって‥お、俺‥勃っちゃ‥あっ‥!」




少し身体に触れて乳首を舐めただけなのに、既に栄口のモノは緩く勃ち上がっていた。


顔を覆い隠して、嫌だとかダメだとか言う姿。



‥これは確かに来るものがある。




「やっ、いずみ‥ダメ、だよぉ‥っ‥」


「挿れはしねーから‥触るだけだって」


「は、ぁっ‥あぅっ‥あっ‥あぁっ‥!」




流石、男とヤっているだけあって感度は抜群だ。



しばらく愛撫して完全に勃ち上がってしまった栄口のモノ。


それを躊躇なく口に喰わえ込み、激しく頭を上下させる。




「あ、ぅ‥んっ‥ああぁっ‥!や、やぁっ‥い、ずみっ‥あっ‥!」


「此処‥良いんだろ‥すっげぇビクビクしてる‥」


「っ‥やだぁっ‥言わ、ないでぇ‥いずみぃ‥もっ‥イキ、たいよぉ‥っ‥」


「‥ん、口に出していーぜ?」




その後、栄口は嫌だとか離してと泣き叫んだが、俺がそれを許さなかった。



先端を吸い上げて刺激を与えた瞬間、俺の口の中が栄口の匂いや味でいっぱいになる。


人によって‥味が違うものなのか。


浜田のしか味わったことがないから、しみじみとそんな事を思った。




「ふぇ‥えっ‥泉の‥ばかぁ‥っ‥」


「ちょっと‥泣かないでよ、栄口‥」


「やだって言ったのに‥こんなこと‥水谷にバレたら‥」




栄口がそう言って泣き出してしまった。


なんか‥こうも泣かれてしまうと、自分が悪いことをしたみたいで罪悪感を感じる。


バレないようにするには口を割らないで黙っていれば良い。



でも栄口は素直だから‥それがどこまで持つかは解らないけど‥。




「‥ほら、やっぱり水谷と仲直りしたいんだろ?」


「‥‥うん‥したい‥」


「だったら仲直りして来いよ。さっきした事は、忘れれば良いからさ。」


「泉は‥浜田さんと仲直りする‥?」




不安気に栄口がそう聞いた。


自分より人のことを心配するって‥お人良しにも程があるだろ。



安心させるように栄口の頭を撫でると、俺は笑って見せてこう言った。




「大丈夫。栄口が仲直りしたら、俺も仲直りしてくるよ。」


「‥本当?絶対?」


「うん、絶対する」




それを聞いて栄口が笑う。

水谷に電話をかけはじめた栄口を見て、俺は栄口の家を後にした。



俺も浜田に謝らなくちゃ。


そんなことを思いながら。




fin.




→あとがき
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ