□違いの想い【ギャグ甘】*
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「浜田さん家だー!お邪魔しまーす!」


「‥浜田。ちょっと眠いから寝たい‥飯、出来たら起こして?」


「あぁ、お休み」




泉は家に着くなり、もそもそと浜田さんのベッドに潜り込んでスヤスヤと寝息を立て眠りについてしまった。

そんな寝顔が可愛いなと思いながら、俺は泉の寝ているベッドへと近づく。


もっと近くで顔を見たい。


ふいにその時、腕を強くひかれた。




「っ‥痛ッ‥!」


「‥水谷、お前どーゆうつもり?」


「は‥?なに、が‥?」


「とぼけんな。お前も泉のこと狙ってるって分かってるんだよ。」




いつもの浜田さんと違う。

怖い空気がまとわりついて、俺はその恐怖に足がすくんだ。


いつもニコニコして優しい浜田さんが、こんな顔を見せるだなんて。


俺にこんな顔をするくらい‥泉のことが好きなんだ。




「そう、です‥。俺も泉が好きなんです。」


「ふざけんな、泉は俺のもんだ。お前の入る隙なんかねーよ。わかったら帰れ」


「‥嫌だ。俺の方が泉のこと‥好きだもん‥」


「ふーん‥そう。」




浜田さんは泉の寝ているベッドまで自分の身体を運ぶと、布団を引きはがして泉の唇を奪った。


その光景が信じられなくて固まると、浜田さんは泉のワイシャツの裾から手を侵入させ始める。


はっとして浜田さんを止めようと近づくと、すかさず浜田さんが口を開く。




「俺と泉はね、もうこんな関係なの」


「こんな関係って‥、こい‥びと‥?」


「そ。だから体の関係もあるよ?水谷の入る隙なんかねーの‥わかった?」


「そ‥んな‥こと‥」




もう恋人関係にあったなんて。


これじゃもう勝ち目がない。



でも‥それは浜田さんが言っているだけで‥泉の口からは聞いていない。




「嘘だ‥証拠なんてねーもん‥そんなん、わかんねーし‥」


「‥じゃあ、此処でヤればわかるよな?」


「は‥はぁ!?なに言って‥!」


「ねぇ、泉。起きて‥」


「ン‥ッ‥んぅ‥」




甘い声で泉の名前を呼び、浜田さんは再び泉に口付けた。


その行為に、やはり胸が痛む。


泉を見てみると、小さく声が漏れていて‥それはもう可愛くて。


小さな声で「はまだ」と呼んだ気がした。




「ん‥な、に‥もう、飯‥?」


「んーん。まだ出来てないんだけど、その前に泉が食べたくなっちゃって。」


「あー‥うん‥それは大変だな‥」


「うん、大変なの。だから食べていい?」


「あー‥ぅー‥ん‥」
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