□発火剤【甘】*
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「いずみ‥」


「‥っ‥んっ‥」




信じれない。

風邪挽いて寝込んでいる奴にキスしやがった。


唇が触れるだけの柔らかなキスだったけど、それは発火剤としては充分過ぎるほどで‥‥




「っ‥はまだ‥」


「‥あ、起こしちゃった?」


「お前‥今、何した‥?」


「泉が可愛かったから、つい。」




ついってなんだよ。

熱がある身体にさらに油を注がれ、発火してしまいそうだ。


熱くなって行く身体を押さえ付け、俺は視線を反らす。


浜田まで風邪を挽いたらどーすんだよ。

俺は責任取れねーんだぞ?




「‥飯、食べれるか?」


「うん‥大分楽になったから‥食べれる」


「わかった。じゃあ‥はい。あーん」


「じ、自分で食えるって!」




そんなこと恥ずかしいからと焦って言うと、浜田は病人は病人らしくしてろの一点張りで譲ろうとはしない。


しぶしぶ浜田の手からおかゆを食べることになってしまった。



俺が食べる度に幸せそうに微笑む顔を見ていたら‥何も言えなくなるじゃねーか‥。




「汗は?寝ているうちにかいただろ?」


「あ‥うん‥」


「身体拭いてやるから、服脱いで。‥手伝った方が良い?」


「いや、大丈夫‥飯、美味かった。ありがとう」




服を脱ぎながらそう言うと、浜田はどういたしましてと言葉を返した。


腹も満たされて、寝たせいか眠気も無い。


それに熱となると‥無性にヤりたくなる。




「はまだ‥」


「何?」


「なんか今‥めちゃくちゃシたいんだけど」


「馬鹿言ってんなよ。熱でおかしくなったのか?」


「おかしい、よな‥今日は‥なんか‥」




そう言って俺は自分の着ていたパジャマのボタンを外し終える。


露になった肢体をじっと見て、俺はその火照る身体を使って浜田をベッドへと誘う。




「ちょ‥いずみ‥ダメだってば!」


「んだよ‥。身体‥拭いてくれんじゃねーのかよ‥?」


「あ、あぁ‥そ、そっか‥」




自分から拒んだくせに、あからさまに残念そうな顔されてもな。

お前もヤりたくて堪らないって顔してるの、気付いてねーの?


身体を拭かせると言うのは建前。

本当の目的はこれからだ。




「冷たくない?大丈夫?」


「ん‥大丈夫‥、っあ‥そこ‥んっ‥!」


「ちょ‥っ‥変な声‥出すなよっ‥」


「‥浜田が‥変な触り方するからだろっ‥ぁ、はぁ‥っ‥」
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