捧げ物

□それぞれの想い【ギャグ甘】
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水谷「‥‥っ‥栄口の馬鹿っ!もう俺、浜田さんと浮気しちゃうからね!!」




我ながら大人げない。


栄口にかまってほしいだけなのに、なんでこうも上手く行かないんだろう。



ぐいっと浜田さんの手を引くと、俺はボー然とする二人を置いて外へと逃げ出した。




浜田「‥‥あんなこと言って良かったのか?」


水谷「だ、だって‥おれ‥もう見てらんなくて‥」




ぐすぐすとベソをかくなんて恥ずかしい。


でも無理だ。止まらない。




浜田「栄口だって、悪気があったわけじゃないだろ?」


水谷「そ‥だけど‥」


浜田「それとも本気で浮気する気?」




じっと目を見られると言う行為に、俺は思わず目を反らした。


そんな目で見られると、自分が悪いことをしたような気分になってくる。



浜田さんって‥なんだか雰囲気が栄口に似ている。

優しい感じとかそっくりで‥。




浜田「戻るか?」


水谷「ん‥もうちょっと‥」




涙のたまった目尻を自分で拭っていると、浜田さんが自分の袖を使って、俺の涙を拭き取ってくれた。


あぁ‥栄口もこうやって俺が泣いたときは傍にいてくれたっけ‥?




泉「‥こんのっ‥馬鹿浜田ッー!!!」




パァンと言う泉の平手打ちが、浜田さんの右手頬にヒットする。


何?どうしたの?という目で俺が見てると、泉は俺を睨み付けた。




泉「水谷‥テメェ!浜田と浮気しようなんて言ってんじゃねーよ!!」


水谷「え‥‥ぁ‥」


泉「浜田は俺のだ!!人のもの横から取るんじゃねーよ!!」




それだけ大声で叫ぶと、泉は息を切らしながら浜田さんの服の裾を握りしめた。


ビックリして涙目の泉から浜田さんへと目を反らすと、浜田さんってば叩かれたってのに‥満面の笑顔。

よっぽど今の言葉が嬉しかったに違いない。




栄口「みーずーたーに?」


水谷「栄口!」




後からやって来た愛しい恋人に抱き着こうとした瞬間、笑顔の栄口の後ろに黒いオーラが見えた。


それにビクッとして、俺は肩を竦める。




栄口「水谷さぁ‥泉のこと泣かしたよね?どうなるか解ってる?」


水谷「ちょ‥まっ‥」


栄口「しかも‥浜田さんと浮気?水谷ってば、人のもの取るような悪い子だったっけ?」




黒いオーラを放つ栄口が近づいてくる。




水谷「あれは栄口が‥!」


栄口「問答無用!」


泉「栄口!俺も手伝う!!」


水谷「きゃああああ!!」




俺はその後、二人に思う存分お仕置きされました。



ふと言った言葉がこんなことになるなんて‥‥。


もう俺は、栄口と泉が仲良くしていても怒ったりしない‥‥と強く心に誓った。




fin.




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