黒バス

□独占欲の印【甘】*
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「赤司、君っ‥待ってくださっ‥」




僕と赤司君は付き合っている。


そうなったのは、僕が赤司君の命令に逆らえなかったからだ。



でも別に、赤司君の事が嫌いと言う訳ではない。


寧ろ、好きじゃなかったら付き合えない。



いくら赤司君の命令でも、人の恋愛感情を動かすのは無理なことだ。




「‥ダメです。こんなところで‥」


「テツヤ、それは僕に対する反逆かい?」


「違い‥ます。此処‥学校なんですよ‥?」


「僕が今シたくなった。‥悪いか?」




あぁ、もう。

本当に横暴な人なんだから。


部室にあるベンチに押し倒され、着替えも中途半端な僕は赤司君のキスを身体中に受けていた。


そのまま唇にキスをされ、頭が蕩けていくような感覚に襲われる。




「あっ、んっ‥だめ、です‥」


「ダメじゃないだろう、テツヤ」


「あか、し‥くっ‥あっ‥!」




思わず高い声を上げてしまい、それが赤司君の心を揺らす。


服を捲り上げられて胸の尖りにキスをされ、そのどうしようもない感覚に涙が浮かぶ。




「やっ‥いやっ‥ッ‥」


「僕に逆らう気か?テツヤ」


「ちが、いますっ‥」


「僕を受け入れろ、テツヤ」


「‥ちがう、んです‥‥赤司君っ‥せめて、場所を‥‥」




こんな所じゃ嫌だ。


落ち着かなくて、誰が入って来るかもわからない。



だって、さっきから鍵は開けっ放しだ。



着替えに入ってくる人だってまだまだ居るだろう。




「‥仕方ないね、テツヤは」


「ん、あっ‥!」




首筋を強く吸われ、目立つ場所にキスマークを残されそうになった。


胸板を押して抵抗するが、赤司君の力に敵わない。



嫌だ、やめてと、口にする。



そんな時、僕は赤司君と最初に交わした約束を口にした。




「僕が嫌がる事はしないって‥約束したじゃないですか‥」




それでも赤司君のキスは止まなかった。


くっきりと残ってしまったそれは、どこからどうみてもキスマークで。



こんなんじゃ練習もまともに出れないと、赤司君を見上げた。




「‥そうだね。でもテツヤ、嫌じゃないだろう?」


「っ‥!」


「ほら、図星だ」




赤司君は、狡い。


僕が惚れているってわかっていて、そんな事をする。



嫌じゃない‥寧ろ、嬉しく思っている。


赤司君が僕に夢中で、独占欲丸出しで、欲情すらしている。



こんな優越感は‥僕は他に知らない。




「練習に戻るよ、テツヤ」


「‥こんなキスマーク残されたら、練習出来ません。」


「ん、何?このまま僕のモノを突っ込まれて喘ぎたいって?テツヤ、シたいなら最初から素直にそう言って‥」


「っ‥練習、行ってきます‥!」




このままだと本当に食われてしまう。



急いで練習に戻ると桃井さんに頼んで絆創膏を貰い、それで首筋を隠すことにした。


怪我をしたのかと心配そうに尋ねられたが言える訳も無く、猫に噛まれたと言っておいた。




「‥家だったら‥良かったのに‥」




ポツリと呟いた言葉は誰に届く事も無く消えた。



ふと遠くにいる赤司君と目が合い、思わず目を反らす。



身体の熱りが治まらない。




「また後でね、テツヤ」




そんな口使いで、僕を誘惑する。



まるで悪魔みたいな貴方。



僕は捕らわれて、逃げられない。




fin.




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