□レンズ越しの顔【甘】*
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「お、おい‥マジでやるのか?」


「さっきのが冗談に聞こえた?」




そう言って浜田はにっこりと微笑んだ。

ベッドの上にいまだ服を着た状態で、俺は抵抗するそぶりを見せる。




「嫌だっ!俺にそんな趣味はねぇッ!」


「ダメだよ。カメラの性能試さなきゃ」


「他のを映せばいいだろ!」


「俺しか見ないんだし‥‥ね?」




そう言って浜田は俺に近付き、するりとシャツの隙間から手を入れる。

ビクッと反応した俺の頬に唇を近づけ、今にもベッドへ倒れ込んでしまいそうな姿勢で俺の耳を甘噛みした。




「ッ‥や‥っ」


「優しくするから‥」


「ん‥なっ‥そんなこと‥言ったって‥‥あっ‥」




言葉とは裏腹に、敏感に反応してしまう身体。

ふいに閉じていた目を開くとそこには雄の顔をした浜田が居て、その表情にドキッと心臓が高鳴ってしまう。


いつもなら‥痛いくらい荒々しい手つきなのに。


優しく、割れ物でも扱うような手つきだった。




「やぁっ‥あぁ‥」


「見られてると‥興奮する?」


「ばかっ‥!んなわけっ‥んっ‥んぅっ‥」


「うるさい口は塞いでおこうね」




そういって浜田は俺にキスをして口を封じ、ビデオはと言うと俺達の淫らな姿を撮り続けている。


嫌々と足をバタつかせたりしても、浜田はビクともしない。

野球をやっているとは言え、この体格差だ。‥俺が浜田に敵うわけが無い。




「は‥まだっ‥いや‥」


「可愛い‥ね、もっと見せて」


「ぁっ‥はぁ‥ン‥!だ‥だ、めっ‥」




ぐいっと顎を持ち上げられ、顔をカメラの方へと向けさせられる。


そのレンズ越しには、俺の火照った表情が映されているのが微かに見えていて。


どうしようもなく恥ずかしくなって、俺はボロボロと涙を零してしまう。


抵抗も効かない。逃げる術も無くて、俺はそこに留まるしかないのだ。





「泉‥恥ずかしい?」


「ぅっ‥ん‥、っ‥もっ‥やだぁっ‥ぁ‥」


「恥ずかしいと泉は感じちゃうの?いつもより敏感だよね?」


「感じっ‥て‥なぃ‥」


「じゃあ此処‥これも感じてないって言うの?」


「ひっあ‥ッ‥!」



その一点の高ぶりに触れられた瞬間、カッと顔が熱くなる。


いつもなら‥この程度の愛撫で、こんなにはならないのに。
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