□相容れぬ二人【鬼畜甘】*
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学校内でも有名な金髪にピアスをした不良。

普段は危害のなさそうな顔をしているが、その裏の顔は酷いものだ。


その長身に加えて威圧感もあるものだから、大抵の男は寄り付かない。

女には割と紳士的な振る舞いで、噂ではどんな女でも喰ってしまうと言うもの。


‥まぁ、実際その通りなんだけどね。




「浜田良郎!そこを動くな!」




あぁ、また厄介なのがやって来た。


これも日常と言えば日常なのだが‥そろそろ手を引いてくれないと、そのうち俺から手を上げてしまいそうだ。


悪意は無いから放っておいているけど、ウザい事には変わりない。




「いい加減、髪を黒に戻したらどうだ?‥ピアスも外せ。校則違反だ」


「これはこれは、委員長。いつもお仕事‥大変だねぇ?」


「誰のせいだと思ってんだ!この野郎!」




黒い髪に黒ぶちの眼鏡。


瞳は綺麗な青みを帯びているのに、その黒さで全てが台なしだ。


きっちりと第二ボタンまで閉めたワイシャツにネクタイ。


シャツをズボンの中に入れるとか、見ているこっちが暑苦しくて仕方ないよ。



頬に出来た雀斑もさらにダサいって感じを醸し出しているし‥救いようが無いな。




「変な物は‥持ってきて無いだろうな?この前、タバコ吸っていたっていう生徒が‥」


「いやいや、それは俺じゃないよ。2組の奴らじゃね?」


「‥ふん、どーだかな。まぁ今はそのピアスを外すだけで勘弁してやる。もうすぐ授業だしな」


「‥なんだよ。信用ねーな‥」




しぶしぶピアスを外してポケットにしまうと、委員長は口先を上げて悪戯に笑ってみせた。




「そっちの方が良いぞ、随分大人しく見える」


「別にそんなん見えなくて良いし。委員長もいい加減、俺に干渉するの止めてくれない?」


「ほら、早く来い。授業だ」




今日も朝から美人先生が居る保健室で寝ようと思っていたのに‥朝っぱらから俺の一日が台無しになった。


こんな委員長の言いなりになんてなりたくないのに、捕まれた腕を解く事が出来ない。


また此処で逃げても面倒なことになるだけだ。


そんなことを思いながら、俺はしぶしぶ委員長の後に続いた。
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