□可愛いお菓子【甘】
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「泉ーお菓子作ったよ!食べて食べて」


「あぁ、食べる。今日は何?」


「今日はプリンに挑戦してみたんだ!泉好きだよね?」


「うん、好き」




こんな女の子が作りそうなものを意図も簡単に作ってしまう俺の恋人。


元々料理が好きだという事もあるのだろうが、なかなか男でお菓子を作るっていうやつは少ないと思う。




「うまそおっ!いただきます!」


「‥どう?美味しい?」


「うめぇ!かぼちゃプリンかー‥もしかして、ハロウィンだからか?」


「そうそう!なんかやりたくってさー日本って、仮装してお菓子貰う習慣とかないからね。気分だけでもって思って‥」




キラキラとした笑顔で俺に笑いかける。


太陽みたいに笑うコイツには、いつも元気を貰っているようで。



疲れなんて吹き飛んでしまうようだった。




「浜田、なんでお菓子とか作ってくれんの?」


「え?なんでって?」


「お前、元々そんなにお菓子とか食べないだろ」


「そりゃ‥食べてくれる人がいるからだろ?泉が居なきゃ作る意味もないだろ?」




かぼちゃプリンの甘い空気が漂う。


その一室で、俺は心臓を打ち抜かれたような感覚に襲われた。



180cmを裕に超えている男に可愛いと言う言葉を使うのはおかしいだろうか?


でもコイツの場合は、似合ってしまう気がしてならない。




「なぁ‥浜田」


「ん?どした?おかわりもあるぞー」


「キスしていい?」


「え!?は‥?なに‥言ってんの?」




片づけをしていたせいで手に持っていたボウルを滑らせ、ガッシャンと言う音が鳴り響いた。


まだ半分残っているプリンを後にして浜田に近寄ると、その胸倉をつかんでキスをする。



愛しくてたまらない。



俺の為になんて、本当に俺を喜ばせる言葉を知っている。




「あーもう、お前嫁にしたい。結婚しよ。」


「はぁ!?違うだろ!俺が旦那で泉が嫁!俺は主夫で良いから‥」


「お前の方が嫁の方が、皆納得するような気がするんだけど‥」


「いーや、そこは譲らない!」




ぷいっとそっぽを向く浜田の耳は真っ赤になっていた。


かく言う俺の顔も、それに釣られてじわじわと赤くなってきているのだが。




「‥浜田、顔‥真っ赤。」


「い、いずみだって‥真っ赤じゃん‥」


「うるさい、ばか」


「‥トリックオアトリート。」


「え?」


「お菓子くれなきゃ、いたずらしちゃうぞー?」




悪戯したみたいに、ふにゃっと笑ってみせる浜田。


俺はお菓子あげたんだから、泉も俺にお菓子をちょーだい?なんて言って見せた。



‥わかって言っているのだろうか。


俺がお菓子を持ち合わせているなんて事は、有り得ないってことに。




「持ってねーよ。お菓子なんか」


「ん、じゃあ悪戯させて頂きます。」


「‥ムカつく。‥後で覚えてろよ?」


「はいはい」




fin.




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