□不安な一線【甘】*
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「みず、たに‥やっ‥やっぱり‥止めようよぉ‥」


「‥なんで?俺、ずっと待ってたんだよ?」


「で、でも‥私達、まだ学生だし‥」




栄口が不安になるのも分かる。


俺達はまだ学生で、もしも子供が出来てしまったら‥責任を負うことは出来ない。



栄口の事は大切にしたい。


でも俺は、好きだからこそ繋がりたいと言う気持ちが強いのだ。




「大事にしたいけど‥でも‥好きだから、俺は栄口と一つになりたい。」


「‥水谷‥でも‥私‥」


「でも、栄口が嫌なら絶対にしないから‥!」


「っ‥嫌‥じゃ、ないっ‥!」




栄口が声を荒げて言った。


こうして声を荒げる栄口を見たのは初めてのことかもしれない。



いつも温厚でニコニコしてて、ちょっぴり天然で。


可愛らしい雰囲気を持っている栄口は、俺の癒しであると共に‥俺の彼女でもある。




「嫌じゃ、ないん‥だけど‥でも‥っ‥初めてだから‥怖くて‥」


「さかえぐち‥」


「私、だって‥水谷のこと大好きだもん‥。だから‥そう、言うこととか‥分からないって、わけじゃないし‥その‥」


「嫌じゃ‥ないんだよね‥?怖いだけなんだよね?」




俺がそう問いかけると、栄口はコクリと静かに頷いた。


嫌じゃないってことが分かっただけでも、俺は嬉しかった。



栄口もちゃんと、俺のことを思ってくれているのだ。




「キス、だけ‥」


「え‥」


「キスだけなら‥してもいい?」




そう俺が栄口に問いかける。


恥ずかしそうに俯きながらも、頷いて答えてくれる栄口。



その仕草がとても可愛い。




「ん‥はぁ‥あぅっ‥は‥みず、たに‥」


「栄口‥」


「あ‥ちょ‥みずたに‥?」


「ん‥ちょっとだけ‥触るだけだから‥」


「あ、待っ‥水谷‥っ‥!」




服の下から手を入れて栄口の肌に触れる。


滑らかにすり抜けていくような手触りに、俺は酷く興奮した。



ヤバい、止まらない。



頭の中が栄口のことだけでいっぱいになっていく。




「あ、あっ‥ちょっ‥あ、ぅ‥ンッ‥っ‥みずたにっ‥」


「‥栄口‥ごめん、もうちょっとだけ‥」


「やぁっ‥あ‥!?ちょ、やだ‥そこっ‥だめぇ‥」




栄口のしているブラの下に直接手を入れ、直に胸を触る。

柔らかくて、温かくて、気持ち良くて。

手に収まってしまうサイズなのもまた可愛い。


スカートの下から手を入れると、栄口は困ったような顔をして俺の名前を呼ぶ。


その表情がもっと見てみたくて、俺はその手を動かし栄口の秘部に触れた。




「っ‥はぁ‥あっ‥んっ‥あっ‥!」


「栄口‥此処、気持ち良い‥?」


「あ、ぅ‥んっ‥わか、んなっ‥あっ‥」




初めて与えられる感覚に頭が麻痺するような、そんな感じ。


俺も栄口も初めてのことで凄く興奮している。



大人がするような舌を絡めるキスをし、服を肌蹴させてその柔らかな肌を見る。


‥俺が今までに見たどのエロ本やAVよりも興奮した。




「やぁ、みず、たにぃっ‥はず、かしいよぉっ‥」


「栄口‥すっごく可愛い‥」


「え、ああっ‥ンッ、ぅ‥へんな、声、でちゃうっ‥」


「なるべく、痛くないようにするから‥此処、触らせて‥」


「え‥?あ、アッ‥!?や、やだっ‥うそっ‥みずたにっ‥!」




パンツの下に手を入れ、じんわりと濡れている感触や反応を見てほっとする。


良かった‥栄口もちゃんと感じてる。



気持ちいいとこを探るようにして撫でるように優しく愛撫し、強弱をつけながら俺は栄口に快感を与えていった。




「あ、あっ‥や、みずたにっ‥な‥んか、へんっ‥そこ、やだっ‥おかしく、なりそうっ‥あっ、ああっ‥!」


「大丈夫だよ。皆、そうなるから‥」


「みん、な‥そう、なの‥?あ、あっ‥あ、はぁっ、ああっ‥や、あっ‥!」




声がだんだんと甘味を帯びて来て、身体もビクビクと震えてきた。


これは限界が近いのかと指を動かすのを早くし、栄口がイクのを手伝ってやる。



俺の手で気持ち良くイッてくれたのなら万々歳だ。




「あ、あっ、あっ‥!みずたにぃっ‥なんか、なんかっ‥へんっ‥ああっ‥!」


「力抜いて‥そのまま気持ち良くなって行ってみて‥?」


「ぅ、んっ‥あ、あっ‥ああっ‥はっ、ぁっ‥みず、た‥っ‥みずたにっ‥アッ‥!」




弓のように身体がしなり、栄口が達したことが分かった。


先ほどよりも小刻みに震えて、身体も一瞬硬直してから力が抜けていく。



ヒクヒクと痙攣するそこを何度か擦ってやってから離すと、焦点の合わない目で栄口が俺を見上げた。


初めての快楽にすっかり骨砕けになってしまった栄口はそりゃもう可愛くて。




「はぁっ‥はぁ‥みず、たにぃ‥っ‥」


「気持ち、良かった‥?」


「うん‥っ‥すっごい‥初めて‥こんなこと‥」


「栄口がそう思ってくれたのなら、俺も嬉しいよ。」




額にキスをして俺は笑いかける。


それを見た栄口も笑ってくれて、俺はそれだけで満たされてしまった。



お互いにまだ初めてで、経験もない。



でもそんなのは焦る必要もなくて、ゆっくり時間をかけて温めていけばいい。




「‥また、しよう‥ね?水谷‥」


「っ‥!あ‥あぁ。栄口が‥い、痛い‥、かも、しれないけど‥」


「‥それでも良いよ、水谷となら‥我慢できるよ‥?」




不意打ちだ。


そんな可愛い事を言われたら、明日まで理性が保つのかも妖しくなる。



大切にしたい、大事な大事な人。



俺たちが大人になるのは‥もう少し後の話。




fin.




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