□仲良し範囲【甘】*
1ページ/5ページ

ギシリと軋むベッド。


横たわる二つの身体。


俺はその身体に覆いかぶさるようにして、身動きを取れなくしている。


そして俺は‥限界を訴える。




「さかえぐち‥俺、もう我慢出来ない‥!」


「やっ‥待って‥泉‥俺には‥!」


「‥わかってる。だから‥これは二人だけの秘密にしよう?」


「ひ‥みつ‥?」


「今からすること‥誰にも言っちゃダメだよ。」


「だ、だめだよっ‥いずみ‥いずみぃ‥!」


「‥なにしてんの」




呆れた声が部屋に響く。


その声にピタッと俺達の動きが止まり、俺は栄口を組み敷いていた身体をその場から退けた。



ベットの上で、まるでこれから恋人達が愛し合う行為を思わせるようなセリフ。


それを言い合っていたのは、俺と栄口だ。




「何って‥恋人ごっこ。」


「仲良いのは良い事だけど‥俺と水谷が居ることも忘れるなよな。もし水谷がこの場に居たら泣いてるぞ?」


「だから今やっているんじゃん。」


「水谷の罰ゲーム中に泉と栄口が浮気‥か。さらに泣くだろうな。」




溜め息を付いてそう呟く浜田に、俺はぷうっと頬を膨らませた。


だからフザけているだけって言ってるじゃん。


浜田も頭わりぃな。




「水谷に言うと後々面倒だもんね‥。泉、もうやめ‥わっ!」


「くすぐり攻撃!それそれー!」


「ちょ‥はは‥あっ‥いず‥やめっ‥!あはははははは!」




笑いながらひぃひぃと息を切らして、上気する頬や瞳に少しムラッとする感覚を覚えた。


なんか‥水谷が栄口に欲情するのも解る気がする。


だってくすぐっただけなのに、こんなにエロい顔するんだもの。




「泉‥いい加減に‥」


「‥あ、わかった。」


「ふぇ‥?どうしたの?泉‥」


「浜田。お前、嫉妬してんだろ?」




そう言い放った言葉に対し、浜田は口を開こうとしなかった。


まさかとは思ったけど‥恐らくこれは、図星だろう。


こんな演技じみた事で嫉妬するとか、お前の器も小せぇな。




「‥図星かよ」


「っ‥うっせーな!悪いかよ!」


「浜田は嫉妬しちゃうくらい、俺のことを愛してくれてんだ?」


「‥なぁ、泉の恋人は‥俺だよな?」




そう聞く浜田に、なんかムカついた。


いつも素直ならすぐに肯定出来たんだろうけど、俺にはそれが出来ない。



生意気で‥栄口と仲良くするのも、実は浜田の気を引きたいだけとか。


‥そんなことは言えない。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ