□嫌い、愛してる【甘】*
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ムカつくなぁ。ムカつくなぁ。

最初は表には出さなかったけど、やっぱりムカつく。


この俺を恐れないなんて、馬鹿な奴。



生徒が逆らったりして手を出そうものなら、そのまま返り討ちにされて病院送り。


あの教師はバケモノだ。




「シズちゃん‥」


「‥その呼び方は止めろっつっただろ。しかも先生にちゃん付けってどーゆーことだ。」


「やだなぁ、シズちゃん。先生なんて付けたら、俺よりシズちゃんの立場が上みたいじゃない?」


「‥実際その通りだろーが!!」




ガシャーンと窓ガラスが割れる音。


あー‥もう。なんでこんなバケモノ教師をさっさとクビにしないわけ?



学校側もおかしいだろ。


皆ビビりまくって何も言えないんだろうけど、そろそろ対処しても良いんじゃないかなぁ?




「本当‥バケモノ‥」


「いぃぃぃざぁぁぁやぁぁぁああ!!」


「ちょ‥シズちゃん!そんな物騒なもの振り回すのやめてよね!」


「じゃあ手前はその手に持っているものを捨てやがれぇぇ!!」




教室にあった本棚を片手で持ち上げて振り回すのを、俺は華麗に交わす。


こんなバケモノが教師とか、どう考えてもおかしいだろ。


しかも生徒に手をあげるなんて‥今のご時世、流行らないってば。



瞬間、俺が手にしていたナイフが、カランと言う音を立てて床へと滑り落ちた。




「痛っ‥!ちょ‥待ってよ!シズちゃん!」


「さぁて‥このミノ蟲はどこに始末するかな‥」


「やっ‥シズちゃん!シズちゃんってば!」




シズちゃんの鉄拳で不覚にも頭を強打してしまった俺は、立つ事が出来ずシズちゃんに抱きかかえられる。


この野郎‥もうちょっと丁寧に扱えっての!

馬鹿で単純な単細胞生物のくせに‥!



‥本当にムカつく。


いったい俺をなんだと思っているの?




「痛ッ!ちょっと‥乱暴に扱わないでよ!」


「ミノ蟲なんて、そんくらいの扱いで十分だろ」


「っ‥仮にも俺は、シズちゃんの恋人なんじゃなかったっけ?そんなんじゃ、愛想尽かすのも時間の問題‥んぐっ!?」


「黙れこのクソ蟲」




自分の口をあのバケモノ地味た手で触られて、歯が折れてしまいそうな感覚にじっと大人しくした。


それを確認すると、シズちゃんは静かに手を離す。



おかしな行動を取れば‥すぐに殺られそうな殺気だ。
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