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□所有の印【甘】*
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触れる手。
舌が這う感触。
そして俺は‥無数の目に見られている。
俺は‥一体何をしているんだ?
「よっしゃ!一番!」
俺が早目にダウンを終わらせたのには、ワケがあった。
一番乗りで部室に駆け込み、汗でベタベタになったユニフォームに手をかける。
早く着替えたい‥そのワケ。
それは隣の長椅子に座っている留年野郎に聞いてくれ。
「ざーんねん。一番は俺でしたー」
「‥テメェは部室に用事無いだろ?‥さっさと出ていけよ。」
「泉のこと待ってたのに‥それは酷くない?」
浜田が立ち上がったかと思ったら、そのまま肩へと腕を回された。
部活の後で湿った肌に触るな。
俺は浜田の手をパチンと叩き、その場でユニフォームを脱ぎ始めた。
「泉ってば大胆ー。キスマークあるのわかっているくせに堂々と脱ぐなんて‥」
「‥だから一番に来たんだよ。こんなの‥恥ずかしいし‥」
「見せ付けてやりなよ。俺は浜田のものです‥ってさ。」
「‥冗談。お前が俺のもんだろ。あ?違わねぇよな?」
胸倉を掴んでそう吐き捨てると、浜田は「そうでしたね。お姫様」とかほざくから、本気で踏み潰してやろうかと思った。
キスマークは少し薄れて来てはいるものの、それは浜田との事情を映し出すには十分すぎた。
こんなのを誰かに見られでもしたら大変だ。
ただでさえ秘密の関係なのに‥疑われるようなことをしたり、見られたりしたら、直ぐにバレてしまうだろう。
「もうさ、バレても良いんじゃね?」
「‥は?」
「俺は‥見せ付けてやりたいよ」
「ちょ‥んっ‥!はまだっ!」
バレても良いんじゃないかと言う浜田は、いきなり俺の首筋に噛み付いた。
そのまま浜田の手はいやらしく俺の太股をまさぐり、すりすりと撫で回して来る。
こんな所で変なことされたら‥確実に野球部の奴らにバレるじゃねーか‥!
「やめっ‥浜田っ!」
「良いじゃん。見せ付けてやろうよ。」
「やっ‥ダメだって‥この馬鹿!」