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□居場所【シリアス】
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Side.M
俺はダメな奴だ。
自分でもそう思っていたし、周りからもそう言われていた。
実力もないし‥性格も悪い。
だけど、投手を辞めることは出来なかった。
俺は投手で居ないと、存在が皆の中からぽっかりと無くなってしまうから。
「とっ、投手‥」
高校に上がったと同時に、俺は三星を出た。
野球はやりたかったけど‥やっぱり俺はダメピーだったから。
何処へ行っても、ピッチャーなんかやらせてくれるはずがない。
西浦では‥本当に見るだけのはずだったのに‥。
「三橋‥君」
阿部君との出会いが、俺の運命を変えた。
果てしなく続く青空を見上げていた。
何も映すことないとても虚ろな色。
それが輝いて見えたのは‥君がそばで笑ってくれたから。
いつまでもずっと、俺の球を取っていてくれる?
皆から見れば対したことのない、俺にとっては大事な願い。
絶対に認めて貰えないと思っていたことが、阿部君に出会えたおかげで変わった。