□言葉にして【甘】
1ページ/4ページ

「じゃあ、デートしよっか。」


「‥は?」


「恋人らしいこと‥したいんじゃないの?」


「っ‥いや‥別に俺は‥!」




いつも浜田の家に来ては抱かれてばかりの生活。


浜田は本当に俺の事が好きなんだろうか?と、いつも不安になる。



付き合うきっかけになったのは、浜田からの告白だった。


始めは戸惑っていた俺だったけど、日に日に浜田に溺れていくのが嫌でもわかった。



それを隠そうとして。


俺は浜田に対して、強気で生意気な態度を取ってしまっている。




「今から行こう。眠くない?」


「眠くは無い‥けど‥」


「じゃあ決まり。着替えて来るから、ちょっと待ってて。」




そう言って浜田は出掛ける支度を始める。



時刻は朝の5時30分。


昨日も浜田の腕の中でよがって、そのまま眠りについた。


ワイシャツとズボンを手繰りよせるようにして掴み取ると、俺はぐしゃぐしゃになった頭を手櫛で直した。



デートって‥いったい何をするんだろう?




「さ、行こうか」


「‥お、おう‥」




いつもと違う雰囲気の浜田にドキドキした。


爽やかな香水の匂いと、真面目なスーツに身を包んでる。


手を取られると、そのまま唇にキスをされた。




「っ‥何すんだっ‥!」


「いや‥泉が可愛かったからつい。」


「ふざけんなっ!」


「ふざけてないならキスして良いの?今のも、ふざけたつもりは無かったんだけど‥」




頬が熱くなる。


ダメだ。ダメだ。

コイツのペースに乗せられたら終わりだ。


浜田の言う言葉は、どうしても身体が慣れてはくれない。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ