捧げ物

□俺の事を考えて【甘】*
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触るな。話すな。


俺はどうしてこんなにも、独占欲が強くなってしまったのだろう。



苛々する。

他の奴と話して‥笑顔になるだけで。


女と話しているときは特に苛々して、男と話していても苛々することがある。



俺だけに話し掛けて、俺だけに触れて欲しい。


でも‥そんなのが通るなんてことはないから。



だからせめて‥‥




浜田「いずみー!」


泉「あ?何だよ。」


浜田「頼む!次当たる問題の答え写させてくれ!!」




次の授業は、順番的に浜田が当たる問題があった。


浜田は馬鹿だからそんな問題やってる訳ないし、何度かこう言うことはあった。

その度に俺が折れて見せてやってるんだ。



浜田の事が‥好きだから。




泉「‥昼飯にメロンパンな。」


浜田「よっしゃ!サンキュー泉!」




ポイッと投げ付けた俺のノートを広げると、浜田はその場で答えを写し始めた。


俺はパックに詰まった牛乳を飲みながら外の景色をみたりはするけど、浜田の事が気になって仕方ない。



あぁ‥いつもこうやって俺の側にいれば良いのに。


もしも浜田が居なくなったら‥俺はどうすれば良い?




浜田「……よしっ!ありがと、泉!」


泉「あ‥あぁ。」


田島「おー!浜田!俺にも写させてくれ!!当たるとこだけで良いからさ!」


浜田「泉にお礼言えよ〜?」




ありがとー!と一言俺に言ってから、浜田のノートに触れる田島。


その瞬間…手とか触れたりして。

楽しそうに笑いあったりして。


田島のことは本当に良い奴だと思っているのに、浜田と一緒にいるだけでムカムカしてしまう。



こんな自分が嫌だ。




泉「‥‥ムカつく‥」


浜田「‥‥‥?」




放課後、俺は浜田に誘われて浜田の家で飯を食うことになった。


今日は部活のミーティングがあっただけで、浜田は久しぶりにバイトが休みだと言うこと。

タイミングが良いこともあるものだ。


いつもなら全然予定が合わなくて、付き合ってるのにも関わらず学校でも話さないことがある。


まぁそうした方が付き合ってるってバレないから、良いとは思うけど‥俺は耐えられなくなる。




浜田「何食べたい?泉。」


泉「美味いもの…パスタとか食べたいかも。」


浜田「おっけ。」




くるくると腕まくりをすると、浜田は調理を開始する。

俺はその間、テーブルを拭いたりして少しでも浜田を手伝う。




泉「大盛にしろよな!!」




高校生で運動部なんだから、出来る事なら少しでも多く食べたい。

俺の我が儘に、あいよ。と嬉しそうに返事をする浜田。


この浜田は俺が独占してるんだな‥と思うと、少しだけ嬉しくなった。
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