捧げ物

□触れない日々【甘】*
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一週間、二週間、三週間…時はどんどん過ぎていく。


練習もハードになってきて、なかなか阿部くんと一緒にいられる時間がない。



もっと一緒にいたい。


そばで話したい。


触れたい。



今すぐ阿部くんに触りたい。



もしかして俺、気持ち悪いのかな…?



でも…この気持ちは抑え切れない…。




三橋「あ、べくんっ!」


阿部「ん?なんだ?三橋。」




いつものように振り返る阿部くんはカッコ良くて、思わずドキッとしてしまう。


触りたい。阿部くんに。

抱きしめてほしい。


だから俺は、精一杯の気持ちを阿部くんにぶつける事にした。




三橋「お、れ…阿部…くんの、こと好き、だっ!」


阿部「お…おぅ?」


三橋「だ…から、ね!」


阿部「……?」


三橋「あ、べくん…」




しどろもどろの言葉だったけど、阿部くんはちゃんと聞いてくれてた。


俺は頑張って最後の言葉を言う。




三橋「俺の…家っ、に来‥て…くれ、ま…せん、かっ…?」


阿部「良いけど…何でだ?」


三橋「投、球…練習、とか…」


阿部「そんなの学校でも出来るだろ。」


三橋「べん、きょう!…教…え、て…欲し…い、って……」


阿部「お前が自分から勉強なんて‥するわけねぇだろ?」




うっとなって急に涙が零れる。


阿部くん…もしかして‥俺のこと…嫌いになっちゃったのかな?



ぼろぼろ涙を零して泣くなんて、迷惑だ…。


だけど涙は止まってはくれなかった。




三橋「お、お、れっ…!お…れっ…」


阿部「うわ!?わかった!わかったから泣くなって!!」




半ば強引に阿部くんを家に呼んでしまった俺。


お父さんとお母さんは夜遅くまで仕事だし…二人きりの時間は、最低でも2時間はある。




阿部「んで?どこが解らないんだよ?」


三橋「あ、えっ…と…そのっ…」


阿部「どうした?」


三橋「あ、あ、阿部、く、んっ…!」




目をつぶっていたから解らなかった。

ドサッという音が鳴り響いたと思うと、俺は阿部くんを押し倒していた。


阿部くんはビックリした顔をしていて、俺はオロオロと目を反らす。



阿部くんを見ているだけで、触れているだけで、俺は欲情してしまう。


徐々に自分のモノが反り勃っていくのが、嫌でもわかった。




阿部「ま‥まさか…三橋?」


三橋「ご、ごめん…なさっ…ごめんなさっ…!」




阿部くん…きっと呆れてる。


こんな気持ち悪いやつ…嫌いになっちゃう。


嫌われたくない。

嫌われたくないよ‥。



なのに‥‥




三橋「あ、べ‥くん…」


阿部「うわっ…!」
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