捧げ物

□甘い時間の作り方【甘】
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「ちょ‥やだ‥!もっ‥」


「なんで?良いじゃん。好きなんだから。」


「だからって‥さっきから‥」


「んー?」


「‥欝陶しいんだよッ!!」




後ろから泉を抱き抱えていた俺は、ガンッと顎に頭突きをされてベッドに身体を預けるハメになった。


ふんっとそのまま前を見据えて、テレビに視線を戻す泉。



せっかく二人っきりでいちゃいちゃしようとしたのに‥これだもんな。


甘い雰囲気なんか作れやしない。




「うぜーマジうぜー」


「ちょ‥そんなこと言わないでよ!」


「お前暑いのにベタベタするし、なんか俺の後ろに座ってるし、さっきから服の中に手入れたりキスしたりでウゼェんだよ!!」




俺はただ泉のことが好きでそうしているだけなのに‥どうしてこうも上手くいかないのだろう。


ちゅっと首筋に、頭に、手に、頬にキスをして。

さらさらとした頭を撫でて抱きしめる。


脇腹も少しだけ触ったりしたけど‥テレビ見ているのに邪魔しちゃいけないと思って、それだけで我慢しているのに。




「本当はえっちしたいのに我慢してるんだからッ!」


「心の声を声に出して言うな!このデカ犬!!」




ぼすっと今度はクッションを投げ付けられた。

むーっとした顔で泉を見ても、その瞳には俺が映らない。


ねぇ、どうして見てくれないの?




「いずみぃ‥」


「キモい声出すんじゃねぇ。」


「触りたいぃ‥」




めそめそとしていたら、泉は急に俺の胸倉を引っ張ってこう言った。


その瞳には俺が映っている。




「触るならちゃんと触れ。‥‥キスするなら‥口にしろ、バカ。」




それだけ言うと、泉は真っ赤になりながら顔を反らしてしまった。



‥なーんだ。

泉も俺と同じ気持ちだったんだね。




「気付かなくてごめんね。」


「べっ‥別に‥お前なんかっ‥」


「‥キスしていい?」




そんなこと聞くな。


その言葉を合図に俺は唇を重ねた。



せっかく出来た甘い雰囲気を今度こそは壊さないように、俺はそっと泉の頬に触れた。




fin.




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