捧げ物

□想い人【シリアス甘】*
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「俺、泉と付き合うことになったんだ。」


「‥そう。良かったな。」




別にどーだって良かった。


浜田があの後輩の泉くんを好きなのは知っていたし、俺もその背中を押したりしていた。



でも、どーでも良くなくなった。


そばかすのある頬に、それを強調するかのような白くて綺麗な肌。

黒髪がサラサラとしていて、浜田の後ろでぺこりと頭を下げた。


首筋にある紅く染まった斑点。

それは浜田との事情を物語っていた。




「ちゃんと紹介してなかっただろ?だから連れて来たんだよ。」


「泉孝介です‥」


「あ、俺は‥」


「梅原さん‥ですよね?浜田からよく話は聞いています。」




あれから心臓が締め付けられている。


俺は浜田と泉くんが付き合うことを望んでいたはずのに。









浜田と泉くんが一緒に帰っている所をたまに見かける。

泉くんが浜田に対しての照れ隠しをしているのが、嫌でもわかる。



楽しげで‥幸せそうだ。



俺も泉くんが欲しい。


そんな欲が俺の中で生まれてしまった。




「梅〜!聞いてくれよ〜」


「はいはい。なんだ?また何かやらかしたのか?」




浜田が口を開いたかと思うと、口から出てくるのは泉くんの名前ばかり。

大切にしているってことが伝わって来て、俺は純粋に浜田のことが凄いな。と思う。


羨ましい。


俺だって浜田と同じ立場だったら、泉くんと付き合えていたはずなのに。




「あ‥梅原先輩。」


「泉くん、今日は一人なの?」


「あぁ、はい。浜田が用事あるみたいで‥」




俺は知っている。


浜田が今日はバイトで、部活がある泉くんとは一緒に帰れないってこと。



わざわざ待ち伏せして偶然を装って、俺は泉くんの前に出た。

泉くんから声をかけてくれるなんて‥ラッキーだったけど。




「実は今日、浜田が家に来てるんだよね。」


「え‥?」


「飲み会なんだけど‥泉くんも来る?ジュースもあるし。」




一瞬誘いに戸惑った泉くんだけど「迷惑じゃないから。」と言ったら大きく頷いた。


‥本当に良い子だ。

こんなに純粋で無垢なのに、もう浜田に犯されちゃってるなんて。



でも、それに付け込んでいる俺も相当タチが悪い。




「あがって。二階の右の部屋に浜田居ると思うから。」


「はい」




二階にトントンと上がって行く軽快な足音。

俺はアルコールが少し強めのチューハイを、2缶持って二階へと上がった。


ドアを開けると、浜田は?と言う可愛い声。



ごめんね。

浜田は居ないんだよ。




「梅原‥先輩?」


「ねぇ、泉くん。まだ気付かないの?」




首を傾げて俺を見る泉くんに迫り、ベットへ背中がぶつかるように仕向ける。


泉くんは焦ったような、少しおかしいな?と言う瞳を俺に向けたけど、もう逃げられないよ?




「泉くん、君‥騙されたんだよ。」




その瞬間、泉くんの瞳から光が消えた気がした。

無理矢理ベットに体を縫い付けて、冷やしたチューハイを口に注ぐ。


それを意図も簡単にゴクリと飲んだ泉くんは、この状況を理解しているのだろうか?




「ねぇ、浜田とシたことあるんでしょ?」


「梅‥原‥せん‥ぱ‥」


「どうやってシたの?俺に教えて。」




服を引きちぎって、俺は泉くんの肢体に噛み付いた。


白い肌にはくっきりと俺の歯型が残り、浜田の残した消えかかってるキスマークを上から吸ってやった。




「やっ‥ん‥」


「嫌なら酒飲んで。なにも解らなくなるから。」


「はまだっ‥いやぁ‥」




ギリッと唇を噛み、俺は泉くんを殴りたくなるような衝動にかられた。


名前を呼ぶな。

助けなんか来やしない。


俺は泉くんの口内を、酒を含んだ口で無理矢理犯し始めた。
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