捧げ物

□キスマーク【甘】*
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「っ‥アイツ‥はまだァアァァッ!!」




その声は、部室中にこだました。



部活終了後、俺は更衣室でいつものようにアンダーを脱ぎ捨てた。


あちーっと言いながらパタパタと下敷きで自分自身を仰ぎ、纏わり付く汗から開放しようとする。


そばではチョロチョロと田島が周囲を動きまわっていて、俺のことをちらちらと見ている。

俺は田島のその行動を、不審に思った。


何か俺についてんのか‥?とか、なんで俺ばっか見てるんだ?とか‥。




「‥あー!やっぱりっ!!」


「あ?どうした?田島。」




俺の背中にひょいっと回り、まじまじと背中を見る田島。


何がやっぱりなのか、俺には全然わからない。



俺は田島が背中を見てる間も、手を止めることなく下敷きで自分を扇いでいた。




「なんだよじゃねーだろ!ほら、此処。キスマーク!!」




ざわっと一瞬で部室内が騒がしくなる。


キスマークって‥キス‥キスマーク‥?はぁっ!?




「たたた‥たじっ‥田島!?」


「泉ってば、超エローい!こんな新鮮なキスマークなんて!」


「い、いずみ‥くんっ!凄、いっ!」


「うそ?俺にも見せてよ。」


「うひゃっ!真っ赤〜いっぱいついてる〜!」


「‥‥三橋に付けたr「うるせぇ!キモベ!!」




全員が俺の背後に回り、そのキスマークをじろじろと眺める。

‥それは、気持ちの良いものではない。




「バカッ‥!見んなっ!」


「いーじゃん!こんなにあるなら‥俺も付けちゃおっかな?」


「はぁ!?冗談はやめっ‥」




椅子に座っていた俺を無理矢理ロッカーに押し付け、迷う事なく唇を背中に押し当てる田島。


じんわりと甘い痺れが俺を襲う。




「ンッ‥!田島ッ!」


「へへ〜ん。もう付けちゃったもんねーっ!」


「泉‥くん、おっ‥おれも‥」


「三橋は俺のピーーを吸うんだ!さぁっ!三橋!さぁ!!さぁ!!!」


「‥確保オォォオ!!」




三橋に近付いたキモベは、花井と他三人の手により確保された。

‥まぁそんなことはどうだっていい。




「み‥三橋まで‥シャレになんねーって‥ッン‥」


「泉ってばエロい声出し過ぎ〜」


「あっ!やっ‥田島っ!」




容赦なくキスマークを残され、俺はその刺激に耐え切れずに身体をしならせた。


アイツのせいだ‥

俺をこんな身体にしやがって‥!!




「っ‥ぜってぇブッ殺す!!」
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