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□恋率方程式【甘】*
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目の前には怒ったような顔と笑った顔、同じ顔が二つ並んでいる。


そう、こいつらはいわゆる双子ってやつ。



ニコニコして朗らかで、天使のような笑顔を持つ方が可愛いものが大好きな那月。


反対にしかめっ面で眉間に皺をよせ、悪魔みたいな形相で俺を睨み付けているのが砂月。



正反対の二人が、同じ男に恋をした。


またその正反対な二人を、一人の男が好きになった。




「翔ちゃん!今日はどっちのお布団で寝ますかー?」


「おい、チビ。今日は俺の方だろ。今夜は楽しもうぜ?」


「だーっ!だからそんな毎日毎日‥俺の身体の事も考えろっつの!」




二人の恋人を相手にする。こんなに大変な事は他に無いだろう。


二人とも俺の一番になりたくて、俺を取り合っている。



でも俺は二人とも好きで、そして双子のこいつらもお互いの気持ちをわかっているから、お互いに何も言わなくて。


そんな三角関係のような状態が続いている。




「さっちゃんばっかり狡いですよー。今日も翔ちゃんといっぱいお喋りしていたんでしょう?寝るときくらい僕も翔ちゃんと一緒に寝たいです!」


「昨日も俺は那月に譲ってやっただろうが。いい加減俺もコイツとセックスしてぇんだよ。」


「ちょ‥さ、砂月ッ!な、なんでそんなこと恥ずかしげも無く言うんだよ!」


「那月とはヤるくせに‥俺とは出来ねーってのかよ?あぁ?」


「っ‥砂月はいつもいつも激しいんだよ!腰だって身体だって痛くなって立てなくなるし‥いつも優しい那月とは大違いだし‥しいて言うなら、砂月は強姦魔だ!」


「ほーう‥そんな強姦魔に犯されてよがっているのは何処のどいつだっけなぁ‥?チビ助‥」


「わわわ!二人ともケンカはダメですよー!」




こんな会話は日常茶飯事のこと。


那月と俺は同室だけど、砂月は隣の一人部屋だ。

寮での泊まりは自由な為、こうして毎夜恒例のように口論が行われる。


どちらが俺と一緒に寝るか、そして今日はどっちが俺を抱くのか。


そんな当本人の俺の意見は全く取り入れてくれない二人。




「さっちゃんには僕のピヨちゃんを貸してあげるので、ピヨちゃんと一緒に寝てください!」


「はぁ!?那月がそのピヨちゃんと一緒に寝ればいいだろ!」


「僕はピヨちゃんより翔ちゃんと一緒に寝たいんです!」


「一昨日から譲ってやってんのに‥いい加減にしろよ?那月‥双子だからって我慢してやってんのに‥」


「あーっ!もうわかった!じゃあ今日は三人で寝よう!な?」
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