おお振り

□繋いだ手【甘】
1ページ/2ページ

その日の帰り道、俺は浜田と一緒に校門を出た。



部活がある俺をずっと待っててくれて、俺は部活が終わるとすぐに浜田の元へと向かった。


「走って来てくれたの?」と言う浜田の問い掛け。

汗かいてるから…っと付け足して、浜田はへらっと笑う。




泉「誰がお前の為に走るか、バーカ。部活で汗かいただけだよ。」




可愛くない返事の仕方。

でも浜田はなんでも見通した感じで、俺に笑いかけてくれた。




浜田「じゃ、帰ろっか。」


泉「……おぅ。」




二人きりの帰り道はいつもより心臓がドクドクとしていて、会話がぎこちない。


こんなんじゃ、まだまだ先の関係には進めないな…と、ふと思った。




浜田「…なぁ、手繋がない?」


泉「はぁ!?」


浜田「やっぱり…ダメ?」




いきなりの浜田の言葉に、ダメに決まってんだろ!っと言い返しそうになった言葉を、ぐっと飲み込む。


周りを少し確認してから、俺は浜田の小指を自分の小指に絡めた。




泉「小指だけな。」


浜田「えぇっ!?」


泉「俺に触れられるだけラッキーだと思え、バーカ。」




思ったよりも冷たい手。

緊張してんのかな?と思う。


でも頬は赤く染まっていて、いつの間にか小指を絡めた手は俺の手を覆うように繋がれていた。




浜田「泉の手…あったかい…。」


泉「お前の手が冷てぇんだよ…」


浜田「俺、今凄く幸せ。」


泉「今日だけ…だからな……」




あっさり浜田に気を許してしまった自分。


繋いだ手から伝わってくる、好きって気持ち。




それは、俺の心をとても幸せにしてくれた。




fin.




→あとがき
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ