おお振り

□カルピスの味【甘】
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泉「おじゃましまーす。」


浜田「おぅ」




夏のこの蒸し暑い中、俺は浜田の家へとやって来た。


今日の最高気温は32゚Cで、外になんか出たくない気温。

汗でへばり付いたシャツが気持ち悪い。



それでも浜田の家に来る理由。それは…




泉「浜田、アイス。ジュース。早く。」


浜田「はいはい。」




がさがさと冷蔵庫をあさって出て来たものは、俺がリクエストした通りのもの。


そう、夏の地獄のような暑さは、浜田の家にくれば天国へと変わるのだ。




泉「今日も暑ぃ…」


浜田「しょーがねーよ。夏だもん。」


泉「どーにかしろ馬鹿浜田。」


浜田「無理」


泉「役立たず。」


浜田「酷っ!」




俺が酷い事を言っても、浜田の顔は嬉しそうに緩むばかり。

俺はそれを見て小さく笑った。




浜田「あ!そうそう、俺お中元たくさん貰ったんだよ!」


泉「独り暮らしなのに?お返し出来んの?」


浜田「…ちゃんとお礼言ったから大丈夫…かな?」


泉「はぁ…」




パタパタと浜田が手招きする方へ、俺は歩いていく。

そこには包装紙に包んだまんまの箱がいくつも並んでいた。




泉「すげぇ…!」


浜田「開けよっか?」


泉「おぅ!」




俺はノリノリで包装紙を剥がしていく。


お中元でカルピスが入っていると、ちょっと嬉しくなるんだよな〜。とか、そんなことを考えながら。



俺が選んだのは大きな、カルピスが入っていそうな箱。


案の定、そこにはカルピスが数本入っていた。




泉「やりぃ!カルピスだ!」


浜田「おー凄いな。」


泉「これは誰から来たんだ?」




知らない名前の書かれた紙。

俺が聞くと、浜田はすっと口を開いた。




浜田「クラスの女子だよ。」


泉「……え…?」




クラスの女子が普通お中元なんて送るのか…?


お中元なんて、結構仲が良くないと来ないものなんじゃねーの…?




浜田「他にもクラスの女子からのあるし、男子からのも……」


泉「……むかつく…」


浜田「えっ?」




俺は浜田に回し蹴りを一発お見舞いしてやった。


浜田が唸っている間に、俺はさっさと帰る支度をして帰ろうとした。




浜田「ちょ…泉!」
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