□キッカケと引き金【甘】*
1ページ/3ページ

「は、ぁっ‥し、ん‥ちゃ‥」


「高尾‥」




部活終わりの部室で響く、卑猥な水音。


静まり返ったそこに聞こえるのは、甲高い喘ぎ声だ。



汗まみれのまま、部室で。



我慢出来なくなったのは、ほんの数分前のことだ。




「真ちゃん、あのさ‥」


「なんだ」




部活が終わり、声をかけたその時だった。


汗だくになった真ちゃんの身体、そして疲れたような顔。


それを見た俺はゴクリと生唾を飲み込んだ。




「‥なんなのだよ」


「あ‥‥あ、いや‥なんでもない‥」




真ちゃんに明日のことで言いたい事があったのに、ドキドキして何も言えなくなってしまった。

しかもマズイことにちょっと勃っちゃったし‥顔が良いなんて、本当卑怯だ。


幸いにも真ちゃんは汗を拭く為に眼鏡を外し、今は何も見えてないようで。


今の俺の顔を見られなくて良かったと心底思った。



でも‥目が悪いなら、俺の視線にも気付かないよな‥?


そう思った俺は、そのまま真ちゃんの姿を凝視してしまった。




「‥‥‥‥」




こうして見ると、真ちゃんは本当に綺麗だ。

引き締まった身体に、整った顔。


変人だと思うけど、それも慣れれば愛おしく思えてくる。

全ては真ちゃんなりの人事の尽くし方なんだって。



汗だくになった真ちゃんはそりゃもうエロくて、いつもあの身体に抱かれているのかと思うとゾクゾクしてしまう。


あの大切にしている指が俺に触れているのかと思うと興奮する。




「はぁっ‥」




あぁ、触れたい。

今すぐにでも触れて、めちゃくちゃにして欲しい。


今真ちゃんはどんな味がして、どんな匂いがするんだろう?




「‥高尾、」


「真ちゃん‥?」


「‥なんて顔をしているのだよ」


「ふぇ‥?」




その時の俺は真ちゃんに抱かれる妄想をしていて、物凄くエロい顔をしていたと思う。


瞳には真ちゃんしか映ってなくて、ふと真ちゃんが視界に入ってきたかと思うと、その真ちゃんは眼鏡をかけていて。



それを見た俺は慌てて後ろへと後退りする。




「し、しんちゃっ‥」


「此処‥」


「ひゃっ‥ンッ‥!」


「‥勃ってるぞ」


「っ‥‥やっ‥、」




自分の性器を練習着の上から掴まれ、その衝撃に力が抜ける。


幸い部室にはもう誰も残っていなくて、俺はその場にぺたりと座り込んでしまった。




「こんな所で勃起させるなんて‥恥ずかしくないのか?」


「だ、だって‥真ちゃんがっ‥」


「俺が何かしたのか?」


「っ‥‥真ちゃんが、エロいからだろ‥!」




汗に塗れて上気した顔で‥そんな顔を見せられたらたまらなくなる。


今は真ちゃんとの距離が近いせいで、その匂いもダイレクトに鼻の奥を刺激して。


視覚、嗅覚、聴覚までもを支配されているようだ。




「高尾‥」


「ん、ぅっ‥!」




そして今、味覚も奪われてしまった。

口の中が真ちゃんでいっぱいになって、ぬるぬるとした舌の感触が俺の脳を蕩かして行く。


このまま感覚が麻痺してしまいそうだ。


真ちゃんの首筋に力無く腕を回すと、それに答えるように俺は何度も何度も舌を絡ませた。




「‥はぁ、っ‥‥真‥ちゃん‥」


「高尾‥ッ‥」


「真ちゃん‥っ‥したい‥」


「っ‥」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ