□例外人物【鬼畜】*
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気持ち良い事がしたい。


正常な男子高校生なら、皆頭の中はえっちな事でいっぱいだ。



それは俺も例外ではなくて。



ただ‥俺の恋人がその例外に当たっていたりする。




「ね、黒子っち‥」


「嫌です」




俺の家に来てくれるまでは良い。

ただ、そこからの進展が無いのだ。


いつも誘うのは俺からで、黒子っちはいつも乗り気じゃなくて。


たまに俺は、黒子っちは本当に俺の事が好きなのか心配になる。




「まだ何も言ってないじゃないっスか!」


「触り方がやらしいんですよ、僕はしたくありません」


「そんなぁっ!もう2日もヤってないんスよ!?」


「たった2日でしょう?君は猿ですか。毎日毎日盛って‥受け身な僕の身にもなって下さい」


「うぅっ‥」




そう言って、またもや黒子っちにお預けを喰らってしまう。


ぷいっと視線を背ける黒子っちは、また本を読む作業に戻ってしまって。



同じ空間に居るのに触れたりしていない、この孤独感に胸が張り裂けそうだった。




「黒子っちぃ‥」




しゅんとしながら、俺は黒子っちを後ろから抱きしめる。


黒子っちは少し嫌そうに身を捩るが、はぁとため息をついて大人しくなる。



せめて、触れるだけでも。



黒子っちの邪魔にならないように、俺は後ろから黒子っちを抱きしめ続けた。




「‥黄瀬君、邪魔です」


「ね。えっちしよ、黒子っち」


「嫌です」


「我慢できないっス‥お願い」


「離れてください、僕は嫌です」




頑なに俺を拒絶し、誘いに応じてくれない。

あまりにも嫌がられ過ぎて、逆にイライラしてきた。


どうしてそんなにシたくないのか。

好きな人と一緒に居たら、ひとつになりたいと思うのが普通じゃないのか。


それとも黒子っちは‥同情で俺に付き合ってくれているのか。


いや、黒子っちはストレートに物を言う人だ。


そんなことはしないはず‥だけど。




「黒子っちは‥、俺の事‥好き?」


「‥好きですよ、でも今の君は嫌いです」


「好きな人が近くに居れば、えっちしたいと思うのが普通っス」


「‥僕だって、君としたくないわけじゃないです。でも‥明日は部活もあるし、疲れるんです。分かってください」


「わかんないっスよ!」


「ッ‥」




黒子っちの顎を無理矢理掴み、引き寄せてキスをする。

音を立てながら激しいキスをし、黒子っちの息と苦しそうな声が漏れた。



その、瞬間。


ガリッと言う音がして、口の中に鉄の味が広がった。


黒子っちが‥俺の舌を噛んだのだ。




「っ痛ぇ‥ッ‥」


「‥は、っ‥はぁっ‥やめてください‥」


「そんなに‥嫌なんスか‥」


「‥嫌です、それ以上するなら僕は帰ります」


「逃がさないっスよ」
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